第89話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(7)

 ・・・・

 しばらく話が尽きることなく続き、

「あー、楽しかった。やっぱり女どうしのおしゃべりも楽しいわよね・・・ふぅ」と、すっかり談笑モードだったのだが、

「・・・ところで」

 次の一言で、俺は凍り付いてしまった。


「クレオちゃん、あなたたち、ホントは『いつ』から来たの?」


 沈黙。


 いま・・・『いつ』って聞いたよな。『どこ』ではなくて。

 教授は、あたかも相手の警戒心を解くかのように、にっこり微笑む。

「トンデモナイこと言うようだけど。もしかしたら・・・あなたたち、ホントに『違う時代』からこの時代に来たのかなって」


 分かってる。

 さっきクレオもしゃべっちまったし、隠す話でもない。

 むしろクレオ達の素性をきちんと理解してもらって、いろいろ協力してもらうべき相手なのだ・・・俺は瞬時に腹を括った。


「・・・教授、どうしてそう思ったんです?」

「うーんとね。さっき話しているときに『この娘やけに秘術に詳しいな』って思ったし。でも現代の研究者は数えるほどだからさぁ、仮にそんな人間がいたら、私が知らないわけはないでしょう?」

「・・・・」

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