第90話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(8)
「それに、細かい点はいくつかあるけど、決定的なのは『ヘルメス・トリスメギストスのヘルメス文書』の秘術に精通しているけれど、三世紀アレクサンドリア学派の集大成『ゾシモス錬金術書』については知識が無いこと」
「・・・・」
クレオもセクメトナーメンも、知らず知らずのうちに唾を飲み込んでいる。
「決定的なのは、『もっとも古いアレクサンドリア学派の秘儀』について知っている節があること・・・この秘儀は、紀元二世紀以降歴史上から消えている。現代の研究者で知っているのだって、私を入れてほんの数名なのよ」
「・・・・」
「つまり、突然現れた凄まじい神秘主義研究者でもない限り、答えは・・・」
「答えは?」
「『アレクサンドリア学派が興隆していた紀元前二世紀から紀元一世紀の間の人間』で、なおかつ『その秘術を知ることが出来る立場の政権中枢の人間』ということになるわね」
・・・参った。
「・・・教授、ホントに突拍子もないことなんですが・・・彼女たちは『クレオパトラ七世・フィロパトル』と『その侍従長のセクメトナーメン』の本物だと思っています」
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