第86話 第四章 『カノジョ宣言して、なにが悪い!』(4)

「あ、教授・・・どうも・・・これはですね・・・」

 表情も口調も、あまりのバツの悪さに俺は・・・・全身全霊で動揺を表しているに違いない。

「むふふ、いいところ見つけちゃったな~ 凄い美人さんをふたりも! ね、ね、紹介してよ」

 教授は、俺達と同じテーブルに既に陣取っており(うわっ早っ!)、コーヒーまでオーダーしちゃってる!


 どうする?


 不思議そうな顔をしているクレオとセクメトナーメンを見やりながら、俺は瞬時に脳細胞をフル回転させる。


 彼女たちを親戚とか言って、誤魔化すのは簡単だ。

 だが、クレオたちがこの現代で生活していくためにも、なにかとコネは必要だ。そのコネとして、ホワイト教授はうってつけというのも事実だ。

 なんたって、表の世界から裏世界までいろいろ通じたスーパーレディなのだから。


 と、迷っている間にもクレオが口を開く。

「初めてお目にかかる。妾の名はクレオパトラ七世、隣の彼女はセクメトナーメン。とある縁のある西郷殿に、お世話になっている者で・・・以後お見知りおきを」

「まあ、まあ、そうだったの。わたしはキャサリン・ホワイト。キャサリンでもキャスでもいいわよ。ハチの職務上の上司なの。これからよろしくね」

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