第80話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(39)

 俺を拉致しようと掴んできて、クレオ達に切り落とされたものだ。

「ハチ、この時代の進んだ技術で、そいつの分析が出来るんじゃないのか?」

 すかさずクレオが提案する。

「そうだな、いま俺は師とともに工学や生命科学も得意な大学の世話になっている。教授に頼んで、そこの分析に回そう」

 このあと、バッグに氷詰めにしないとな。腐敗が進んじまう。

 さて、


「問題はこれだな」

 俺が呟きながら、テーブルに載せたレーザー銃のような『筒』と、何の用途か分からない『箱』だ。

 筒は全長十五センチくらいのペンライトみたいなもので、箱はちょっと大きいシガーケースのような薄い箱だ。

 どちらも暗めの銀色(ガンメタに近い)。


「西郷殿、筒は光線兵器ですよね? この時代のものでしょうか?」

「いや、違うな。ただし・・・この時代にもローマ帝国のような、覇権を唱えている超大国の軍隊があって・・・もしそこで秘密裏に開発済みということなら、もちろん俺も知らないことになるが」

 セクメトナーメンは少し思案顔をしながら、コーヒーをおかわりしに席を立つ。

「あ、セクメト、妾もおかわりだ!」

 ちゃっかり便乗して、クレオがマグカップを差し出す。

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