第63話 第三章 『護衛するのだぞ? 同居生活は当然であろう!』(22)

「おいおい、物騒なこと言うなよ」

「ふふっ、しかしファラオである妾は軍事司令官でもあるのだぞ? そういうことにも興味はある」


 妾は笑いながらも、興奮が収まらない。

「それにしても、冷蔵庫にある魚の種類がすごいな・・・」

 今度は、品揃えの豊富さにびっくりする。

「まず鮮度が違う・・・なあ、ほら、まるで生きているような艶だ!」

「そうだな、おまえの時代じゃ、獲ってきた魚はすぐに調理しないといけないだろ?」

「もちろん。そうでなければ燻製にしたり干物にしたりして保存食にするのだが、格段に味は落ちてしまうからな」

 彼は、いくつかの切り身を取り出して買い物かごに入れる。

 続けて野菜コーナー、肉コーナーと進む。

 このフロアに来てから、妙に静かだったセクメトが、

「種類が豊富で・・・地中海で獲れない魚まで・・・どうやって・・・肉も野菜もとにかく種類が多いし、加工品も多い・・・この肉など均一に切り揃えられて・・・こんなもの職人が手でやったとでもいうのかしら? でもそれではこんなに大量に用意が出来ないはず・・・どうやって加工しているのか」と、遂に驚きを押さえきれないといった風に、しゃべり始めた。

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