クリスマス・キャロルに思いを馳せて

@i_love_you_both_good_and_bad

第1話

鈍い痛みをずっと感じていた。

友達と遊んでも、新しい人と出会っても、仕事に没頭しても、忘れることができなかった。


「その人の嫌なところを見つけたらいいよ。なんでもいいんだ。顔のあそこが変だったなとか。」

大学の先輩で、最近電話でよもやま話をしている岩本さんが教えてくれた。話してるときのいたずらっぽい笑顔になんとも言えず、心が軽くなった。


失恋の相談、と言えば、ありふれた話で「もう忘れて、次いこう!」で済むはずじゃないか?相手はそうなんだろう。自分はどうしてもそう思えなかった。

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