「才能」そんなものはいらない

@arumuad8787

第1話 1人の魔剣士

ここはクロード王国決して大きい国というわけではないが、比較的穏やかな国だ。

だが、世の中には魔物も居る、弱い物も居るが、当然民間人には危険極まりない物を居る。


毒を持ってる生き物だったり、猛獣だったり、危険な生き物が居るようなものだと考えたら、他の国の人にも伝わるだろうか。


当然、対応策が無ければ人々の命が危ない

昔を生きてきた人々は、この世の中の危険な生き物や、イタズラに力を振るう悪人を止めるために「魔剣士」という部隊を構成したのだ。


魔剣士、それは自分に与えられた剣にエレメントを加え戦う剣士たち

人にはエレメントという属性を体内に秘めている。それを剣術に織り交ぜて戦うのだ。

まぁ、いわゆる「軍隊」のようなものだ。


これは、この国で生きる1人の魔剣士の話だ。





……


ん、あぁ…眩しいな…

瞼の上から日差しを感じて、目を開ける。


広場の芝生に横になって一休みしていたのを思い出した。

俺の名前はノックスだ。

一応魔剣士であり、魔剣士のトップクラスの人間が与えられるクラスの「1st」だ。

だけど、俺は正直この肩書きに興味はない

むしろ嫌いだ


今日も剣の修行をしていたんだった。

もう昼の刻の3時だ。

素振りは1500くらいしたはずだから

次は型を反復しようか


「うーん…寝起きだからか、少しボヤっとすんなぁ」


型を反復練習しながら、そんなことを1人つぶやく


この国は比較的平和で、俺の住むここは特に平和で人も少ない地域だ

広場で剣の修行をしていることに、危険だしやめた方がいいのでは?と思うかもしれないが

ここの広場はそれほど人も来ないし、敷地がとても広い。

修行をしても全く危険なこともないから、俺は暇さえあれば修行をしている。

まぁもちろん、たまに人は通るし気を配ってはいるが


「もっと速く…もっと鋭く…」


自分の剣術の成長の感じなさに苛立ちを感じて、そんな独り言を呟く


俺が「1st」というクラスの階級が嫌いなのは理由がある。

俺は、昔っから何も出来ないタイプの人間だった。


どんなことをやるにもミスばかりするし、覚えも悪い、運動能力だったり、頭脳だったりも良かったとこは無かった。

つまるところ、俺には


「才能」


というものが圧倒的に無かった。


「なんでそれが出来ないの?」

「役立たずだなぁ…」

「あの人、いつも失敗してるよね…?」

ありとあらゆることで、落胆や嘲笑をされてきた。

だけど俺も俺に対してそう思う、


俺が生きている理由はなんだろう…


俺なんかが生きてて何か意味があるのか…?


幼い頃からずっと俺のことが嫌いで、そんなことばかり考えて生きてきていた。

俺は、俺一人では何も出来ず何も成し遂げられなかった。


だからこそ俺は心に決めていることがある


「俺は…少しでも人の役に立てるように…

少しでも幸せに出来るような人間になる…俺に出来ることを少しでも探すんだ…」


自分の存在意義が分からない、自分の良さがわからない

だけど、その答えを見つけられるように今は修行し続ける

だから才能がない俺なんかが1stと扱われても良いのかと思うし、嫌いだった
















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