獣人の国
ローズガーデンの王城から転移でジャガー王国へと一瞬で移動しました。
転移の部屋では国王様が待っていました。
「英雄様、お待ちしておりました」
「ライガ国王様、お久しぶりです」
相手は国王ともあり、貴族としての礼で頭を下げた。
「頭を上げてください!こちらの方こそ国を救って頂いた御礼として、頭を下げなければならないのですから」
ライガ国王様は片膝をついて御礼を言ってくれました。
「もう済んだことだ。それより、国の復興を見させて欲しい。もし手が足りないようなら手を貸すぞ?」
無口なお父様も気を使い協力を申し出ました。
「はははっ、なら英雄様に国を視察して頂き、復興の遅れている所を手伝って頂けますかな?」
ライガ国王様は冗談まじりで言った。そして、部屋からでると、謁見の間の様な所に通されました。
大きな扉が音を立てて開くと───
「「「お待ちしておりました!英雄様!!!」」」
ぴぇっ!?
謁見の間の大部屋では、大勢の獣人達が出迎えてくれました。
「シオン、すまない。グリーンウッド家の旅行の話はローズガーデン王家からジャガー王国へ伝えていたんだ突然行っても迷惑になるしな」
エルザがシオンにごめんと頭を下げた。
「いえ、大勢の出迎えでびっくりしただけだから。それにしても…………何故にこんなに大勢?」
「それは当然でしょう。英雄一家が国を救ったのは多くの民が見ておりました。国へやって来た時は辺境の村を救い、王都では目の前の平原で魔物の大群を殲滅し、更にはダンジョンコアの超巨大ゴーレムを撃破しました。正直、国が何度も滅ぶような状況だったにも関わらず、倒した魔物の素材や肉など全て寄付された。本当に伝説の勇者のような崇高な精神をお持ちの方々だと、国中が感動致しました!」
熱弁する国王に、その場にいた獣人達も頷きました。
「本当にまたお会いできるとは感激であります!」
あっ、交易都市イーグルの町長のパンダさんだ!
もふもふしたーーーい!!!
握手の時、もふもふさせて頂きました♪
熱烈な歓迎の後、王都の街中をパレードしました。
何故に!??
「いやー、一目英雄様を見ようと国中から民が集まりましてな。今日だけは復興1周年を記念してお祭りを開く事にしたのです」
私達の旅行の事はいつから話が行っていたのでしょうか?
エルザは慣れているようで、馬車から手を振っています。ってか、貴方は何もしてないでしょう!
私達が帰ってから復興支援の指揮を取った?
まぁ、良いでしょう。
お母様もノリノリですね。
私は少しついていけませんよ…………
「シオンは意外と人見知りなんだな?気心知れた領地では普通に話していたのに」
「ううぅ…………ほっといてください!」
プイッと顔逸らすシオンだった。
「でもな?そんなんじゃこの旅行中に恋人なんて見つけれないぞ?」
知らない男と話せないんじゃなぁ~~
「ガーーーーン!?」
「……………口で言うヤツ初めてみたぞ。まぁ、パレードが終わったら夜にでも母上に相談してみな」
兄カストルの言葉に素直に頷くのだった。
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