第二章・新たな旅路へ
不定期更新です。
週一ペースを目標に投稿していきます。
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皆様、お久しぶりです。シオン・グリーンウッドです。
1年前の両親の新婚旅行からとても穏やかな毎日を送っております。
領地に戻ってからと言うもの、森の守護精霊ドライアド様のお陰で、弱体化した魔物達を倒しながら、修行に来ているエリザ姫と、お兄様のカストルの恋愛を遠目でニヨニヨして見守っている毎日を送っております。
そんな時です。
お母様とお茶会をしている時に、お母様からまた旅行に行きたいと提案されました。
ええ、前回あれだけのパプニングがあって、死ぬような目を見ているのに、また旅行ですよ!
どうにかお母様を思いとどまらせようとしましたが、すでにお母様の中では確定事項なようでして、私では止めれませんでした。ええ、誰もお母様を止めることなどできません!
「それで、緊急会議となった訳だ………」
屋敷の一室に家族が集まっていた。
家族会議と言っても、すでにお母様が決めているので、どこに行くのかの話し合いですが。
「ええ~と、なぜ私もここに呼ばれたのでしょうか?」
エリザ姫が遠慮がちに言った。
「それはエリザさんも家族になるのだから一緒に来てもらうためよ♪」
ええっ!?
エリザは顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
そう、ついに数日前に二人はようやく不器用な恋を実らせて、婚約したのです!
「コホンッ!シオン、あ、余り大きな声で言わないでくれ」
あら?
お兄様も顔を赤くしてしまいました。
意外とウブだったのですね~~
「さて、今度の旅行は何処に行きましょうか♪」
お母様がテーブルに地図を広げました。
【アルファとなろうに地図イラスト作成しています。1度見てみると世界感がわかりやすいです】
「う~ん、私はローズガーデンの薔薇園をまた見てみたいですね」
シオンが前回の薔薇園を気に入ったようで、一票手を上げた。
「ローズガーデンなら私が案内できますわ。王都以外の都市でも有名な薔薇園の観光名所がありますので、ご案内しますよ」
ローズガーデン王国の姫であるエリザも賛同した。
「そうね。ならまずはローズガーデンに行きましょう。次はジャガー王国の復興も見に行きたいわね」
お母様が前回、お父様ですら死ぬような怪我を負ったジャガー王国の視察に行きたいと言った。
「確かに、この1年で何処まで復興したのか気になるね。ローズガーデンも復興の支援しているのだろう?」
「はい、お父様が『英雄』である皆様に、きな臭い情報があったジャガー王国に、それとなく旅先を誘導したお詫びに、できる限りの支援をしております。しかし、あの事件でいくつもの村や街が滅びており、ジャガー王国の国力はかなり落ちています」
地図を見ながら父親であるカウスが指をさしながら言った。
「なら、前回の旅先を訪問しつつ、ジャガー王国の次は北へ向かい聖リーゼ王国に向かうか。もしジャガー王国を帝国軍が狙っているなら潰していけばいい」
「そうですね。1年前の戦争で帝国も戦力不足なので、すぐには攻めてこないでしょうが、ジャガー王国が復興する前に帝国が立ち直る方が早いでしょうしね」
一同がそれぞれの観光を楽しみにしている所で、お母様が少し表情を変えました。
「お母様、どうされたのですか?」
「えっ?ああ、なんでもないのよ。ただ聖リーゼ王国には昔の知り合いがいたなーと思ってね」
あら?
エルフが森から出るなんて珍しい。
「では久々にお知り合いに会いに行きますか?それくらいの時間は取れるでしょう」
「そうね。相手も『忙しい』でしょうが、時間が合えば会いにいきましょう」
ふと、シオンは聞いてみた。
「ちなみにどれくらい会ってないんですか?」
「そうね~150年ほどは会ってないかしら?」
おふっ、エルフの感覚はわかりませんね。
実際にまだリーゼ王国にいるのかもわからないではありませんか…………
シオンの表情を読んだのか、微笑ながら言いました。
「大丈夫よ。まだリーゼ王国にいるのはわかっているから」
なるほど、多少の交流はあるのですね。
こうして新婚旅行の第二弾が始まるのでした。
いや、家族旅行で良くない?とは思っても言ってはいけませんよ?
(お母様怖いし)
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