259 おのれの在り処
「彼と二人にしてくれないか」
そう言ったのは凍崎だ。
高価なスーツは無惨に裂かれ、自身の血で染まっている。
ソファから起き上がり、完全に治癒した身体をどこか不思議そうに確かめている。
春河宮勇人を連行しようとしていたECRTの東堂が、
「危険です!」
俺をぎろりと睨んでから凍崎に言う。
「私が構わないと言っているのだ」
「……失礼しました。しかし、彼は得体のしれない探索者です」
「言われなくてもわかっている。だが、彼は私を無益に傷つけることはしないよ」
「そこまでおっしゃるのでしたら。……行くぞ」
ECRTの連中が退出していく。
はるかさんは迷って、この場に残ることにしたようだ。
「篠崎報道官も……」
「私はここに残ります」
「……そうか。まあいいだろう」
凍崎は執務室の無事だった側の壁際にあるワードローブからクリーニング済みのシャツを取り出した。
シャツも上着もぼろぼろだからな。脱ぐというよりは払い落とすように傷んだ服を取ってから、凍崎は新しいシャツを身に着けた。
身体にもまだ血がついてるからすぐに汚れてしまいそうだ。
さすがにネクタイまで締める気力はないんだろう。
「東堂のことを悪く思わないでくれ。職務熱心な男なのだ」
「元は羅漢グループにいたと聞いてるが」
「ああ。私の言葉が琴線に触れたらしい」
「あんたの夢みたいなたわごとが、か?」
「理想というのは往々にしてそういうものではないかね? 彼は人一倍の克己心と超人的な体力とに恵まれていた。百人中九十九人までが音を上げて脱落するような過酷な状況でも、彼にとってはおのれを磨く修行の場と映るらしい。結果、今では特殊部隊の隊長になり、私に私淑してくれている」
凍崎の言葉には、どこか嘲りの色があった。
「九十九人を犠牲にしても、東堂みたいな使える手駒が一つ残れば十分……か?」
「九十九人の側にも、私は何かを強制したわけではない。私の言葉に何かを見、挑戦したものの、武運拙く討ち死にしたというだけのことだ」
「無責任な話だな」
「生き残った彼にしても、本当の意味で人格が強いと言えるだろうか? 私の言葉を盲信しなければおのれを持することができないという意味では、主体性のかけらもない人間だ。よく訓練された猟犬としての価値しかないな。飼い主に向けるあまりにも純粋な敬慕の念も、年齢相応とは言い難い幼稚なものだ」
「……それがあんたの限界だよ、凍崎」
「どういう意味だね?」
「人の寄せてくれる好意的な感情を、愚かしさの証としか受け取れない。忠誠を誓う側と忠誠を誓われる側となら、忠誠を誓われる側のほうが得をする。忠誠を誓うなど、自分を使い潰してくれと言ってるに等しい。あんたはそう思ってるんだろう?」
「そうだが。それが違うと言うのかね?」
「東堂はある意味ではたしかに幼稚かもしれないな。だが、あんたへの心酔の気持ちに偽りはないだろう。その気持ちを嘲り、便利に利用できる駒ができたとほくそ笑むような奴に、人の上に立つ資格はない」
「ふっ……青臭いな。だが、私は君に敗れた。敗者が抗弁しても惨めなだけだろうな。私は『王の器』としては何かが欠けていたに違いない」
「あんたの祖母があんたを『王の器』に育て上げようとしてたって話なら聞いたよ」
「ほう? そのことを知る者はきわめて限られていると思うのだがね。優秀なお友達がいるようだ」
「あんたは凍崎夜羽の妄執に応えるべく王になった、ってことでいいのか?」
「一生かけて叶うかどうかだと思っていたのだがね。存外簡単にこの地位を手に入れることができてしまった」
「あんた自身はどうなんだ? 王になって何がしたかった?」
「私はただ、民衆の求める王でありたかった。私は人々の心の奥底に隠された『声』を聞くのが得意でね。言ってわかるかどうかわからないが、私は他者の人格をおのれのもののように自分に『降ろす』ことができる」
「夜羽と同じ口寄せだな」
「いや、祖母のものとは仕組みが異なる。祖母は本物の死者の霊をその身に降ろしていた。私は、霊を降ろさずとも、ある程度見知った人間の人格をおのれの中で再現できるのだ。祖母は死霊が専門、私は生霊が専門といったところだな。まあ、私も祖母と同じく死霊を降ろすこともできるのだがね」
「そうやって自分の身に降ろした生霊から、あんたはいろんな手練手管を学んでいった」
「その通り。やがてこの世界にダンジョンなどという狂ったものが発生し、私は固有スキル『作戦変更』に目覚めた。私が付与できる『作戦』のレパートリーは、私が生霊から学んだ他者の精神態度がベースとなって生まれたものだ」
「あんたが娘――当時は氷室純恋だった女を養女として引き取ったのは?」
「むろん、彼女の人格に学ぶためだ。あれは天才的なサディスト、天性の支配者だ。君のような脆さを抱えた男が抗えるような相手ではなかった」
酷い言い草だが、否定はできないな。
凍崎純恋の他者を言いなりにする能力は図抜けていた。
「あんたは同じようにして、他者を支配する能力に長けた人間を、コールドハウスなりゲンロン.netなりに集め、自分の支配者としての人格を造り上げていったんだな」
「よくわかっているではないか。そうして集めた人格の断片を、私は『人殻』と呼んでいる。私の中には存在しない、人としての形を与えてくれる『殻』だからだ。コールドハウスでは彼らをチルドレンと呼んでいたが、ある意味では私のほうが彼らの子どもであり、彼らは私の親だといえる」
「……まるでフランケンシュタインみたいだな」
人間のパーツを組み合わせ、つぎはぎし、模造の人間を造り上げる。
夜羽の妄執が生み落とした支配の怪物――それがこの凍崎誠二という男なのだ。
「私はそうして、すべての人の願望を叶える万能の王となることができた。だが、それを君はぶち壊しにしてしまった。この国はこれから困難な時代を迎えることになる。そのことの責は君にあるのだぞ、蔵式君?」
「他者を虐げることで得られる繁栄なんてお断りだね。俺だけじゃない。多くの良識的な一般国民がそう思ってる」
「本当にそうだろうか? 口ではそんなことを言いながら、より良い商品をより安く手に入れたいと願っているのが彼らではないか? 安い商品が世に出回る裏には過酷な労働に泣かされている者たちがいることなど、とうの昔から知られていることだろうに」
「本音と建前は違うかもしれないが、それでも建前に意味がないわけじゃない。理想的な社会であってほしいという願いだって、あんたの言うところの『すべての人の願望』なんじゃないか? あんたはどうして人間のダークサイドにばかり目を向ける? 人間には
「そのことを否定はせんよ。だが、人間の心の奥底には倒錯した願いも潜んでいる。その最たるものは、『おのれを虐げてほしい』という願望だ」
「……はぁ?」
「生きていれば、誰しもが苦しみとは無縁でいられない。苦しい時に最も救いになるのは何か? それは、憎む相手がいることだ。自分が苦しんでいるのはあいつのせいだ。だから、自分の苦しみは自分のせいではない。よって、自分は苦しみから脱するために、なんら意識的な努力をする必要がない。このように考えれば、現状を変えるなどという面倒で危険なことに手を出さずとも、今の境遇に落ち着いていることができるのだ……他者への愚痴をこぼしながらな」
「何が言いたい?」
「この世には、どうあがいても上下というものがあるのだよ。能力を活かして大金を稼げるのはごく一部の限られた者たちだ。住む場所もとうてい公平とはいえず、つきあえる異性のグレードに至っては考えるのも馬鹿らしいほどの格差がある。そんな格差を見せつけておいて、『おまえにそれが手に入らないのはおまえに能力がないからだ』と言わんばかりの態度を取るのが、この現代社会というものだ。彼らには心から憎める対象が必要なのだ」
「それが……あんただと?」
「私もその一人だということだ。出世できない男は、女性の社会進出を妬み、女性へのヘイトをネットに書き散らすことで、その屈辱感を癒そうとする。同じく、経済的に恵まれない男性・女性は、近頃ますます目につくようになった低賃金労働の外国人を排撃することで溜飲を下げる。自分の人生には夢も希望もないと思い詰めた若者や中年が、輝いて見える者たち、将来ある子どもたちにナイフを突き立てようと襲いかかる。
蔵式君……君も感じたことはないかね? 暗い部屋にひとりひきこもっている時に、日の当たるところで大手を振って生きている者たちのことが憎いとは思わなかったかね? 純恋のような他人のことをなんとも思わないような人間こそが成功者となりがちな世の中に、憤りを噛み殺した夜はなかったかね?」
俺が答えないでいると、凍崎はひとりでに先を続けた。
「彼らは、虐げてほしいのだ。目に見えない『社会の仕組み』なんてもので割を食うのはばからしい。どこかに巨悪がいて、自分のことを虐げているので
「極論だ。苦しんでいる時に、その苦しみの元凶を求める心理はあるかもしれないが、普通はもっとまともな手段で苦しみを減らそうとするだろうさ」
「まともな手段、か。だが、はたしてそうかな? この国で何か不条理なことが起きた時に、まっさきに責められるのは総理大臣だ。何が起きても政治が悪いというのは、自分たちで事態改善のために努力などしたくないということだ。政治が悪いと言うなら、政治家を選挙で落とせばいい。それでもダメなら、志を持って自分が政治家に立候補すればいい。民主主義のこんな基本的なことを忘れている――いや、忘れたことにしている人間がほとんどではないか」
「人には向き不向きがあるだろ。政治家に向いてる奴なんてそうはいない」
金がないなら起業すればいい、などと平然とうそぶく起業家と同じ論法じゃないか。
「そう。だからこそ、憎まれる者が必要なのだ。私は国民の政治意識の低さを責めているのではない。人間とはそういうものだと思い、受け入れている。というより、私にはそのことに好悪を抱くだけの感情がない」
凍崎は祖母・夜羽の「教育」によっておのれというものを抹消されたんだったな。
その凍崎は、両腕を宙に広げながら、
「だから、私はこの国を不条理によって支配する。民は、身に降りかかる不条理をすべて私のせいにすればいい。そうすれば、生きることに必然的に伴う諸々の苦痛を、すべて私のせいにして耐えることができる。この世に起きるすべてのことを私のせいにすることで、世の中が回る。すべてを私のせいにし、事態改善のための努力を私にのみ求め、自分たちでは何もせず、ただこれまで通りの暮らしを不満を垂れ流しながら生きればよい。かつて、中世人は神を責め
「……自分は時代が望んだ存在だと言いたいわけか?」
「そうでないとなぜ言える? 今この国で最も望まれ、最も憎まれているのはこの私だ。憎まれるというのは、憎まれ役として望まれているということだ。あらゆる国民が今、私を望んでいると言っていい。国民が望んでいるのは、まちがっても君――『召喚師』蔵式悠人なる探索者ではない。私なのだよ。その私を、君はなんの正当性があって排除しようと言うのかね?」
「ひとつ言っとくが、あんたを言葉でやりこめるつもりはない。そんなことをしてもしなくても結果は同じだ」
「だろうな。だが、私には正義がある。誰も認めないかもしれないが、私なりに筋の通った正義があるのだ。それさえあれば、私は獄に繋がれようともなんともない。私の本当の価値は未来永劫傷つけられることがない。私は勝った、ということだ」
凍崎の表情は、決して勝ち誇ったものではなかった。
むしろ、虚ろだ。
これが本来の凍崎の顔なのだろう。
ある程度整った顔だけに、表情が抜け落ちると能面か何かのように見えてくる。
「目的は達成したって言いたいのか? あんたは夜羽の望む通りの『王の器』であることが証明された、と?」
「祖母? 祖母など、どうでもいい! 今では羅漢のグループホームで、戦前の亡霊たちと混淆しながら自我を失いかけている哀れな老女にすぎん。そうではなく、私は――」
「ああ、夜羽とは別の一人の『人格』になることができた。あんたが言ってるのはそういうことなのか」
「そうだ。もはや人
凍崎が自分の胸を指してそう言った。
「憎まれ役の人柱。国中の怨念をその身に引き受けるスケープゴートとしての存在として、か」
「私は、私だ! 私はこのような私であることを、私の意思で選び取った! そして、世界はそんな私を承認してくれたのだ! 人々は、祖母の思い描いた『王の器』ではなく、私自身の思い描いた王のことを必要としたのだ! ふはは、ふはーはっはっはぁっ!」
凍崎が能面のような顔のままで、高らかに哄笑する。
「凍崎総理……」
とつぶやいたのははるかさんだな。
その声には恐れとともに、憐憫のようなものも混じっている。
はるかさんにとって凍崎は敵のはずだが、報道官の仕事の上で関わりもあったんだろう。
「悪いが、あんたの認識はまちがってる」
俺はきっぱりと言った。
「……ほう? どこがだね、蔵式君」
「あんたは言ったな。国民に望まれて今の存在になったのだと」
「ああ。憎まれることも含めて、ということを忘れてくれるなよ?」
「忘れてないさ。だが、それ以前の問題だ。あんたは真っ当な選挙によって総理大臣になったわけじゃない。自政党の比例区の名簿の上の方に載ってたのは、『作戦変更』で党内を支配していたからか?」
「いや、そんなことをするまでもない。金を積めばいいだけだ」
「そうか。だが、総裁選ではどうだ? あんたは総裁選の前に、奇妙なことをしていたらしいな。あまり必要とも思えないような研究会をいくつも立ち上げては、自政党のお歴々に出席を願った。そのためには金も積んだと聞いている」
「……何が言いたいのだね?」
「その研究会で、あんたは当然会長ということになる。自政党のお偉方たちも、その研究会のあいだに限ってはあんたをリーダーとして認めたということだ。『作戦変更』の細かい条件までは知らないが、おそらくはこんな緩い条件であっても、『作戦』を付与することができるんだろう」
「比例区で自政党に投票した有権者」なんていう弱いくくりでも有効だったくらいだからな。
「つまりあんたは、総裁選でいかさまをした。あんたは、自政党の代議士たちに本当の意味で選ばれたわけじゃない。小選挙区では落選して国民から直接の支持を得られなかった」
「あれは……あえて落選するように計算したのだ。比例区で勝たねば意味がない」
小選挙区で勝っても、「作戦変更」がかかるのがその選挙区に限られるのだろう。
比例区は全国だし、党名を書いての投票だ。
その後に総裁になれば、自政党への投票者すべてが「作戦変更」の対象になる。
「じゃあ、当選するように努力したら当選できる余地があったのか? とてもそうは思えないけどな」
ブラック企業経営者として有名なこいつが、新宿一区みたいな激戦区で当選できるはずがない。
「要するに、あんたが国会議員であること自体が間違いなんだ。総理大臣であることに至っては、ほとんどいんちきと言っていい」
「だが、私は国民の声を真に代表しているのだ。大いなる目的のためにはその程度の詐術など……」
「――じゃあ、なぜあんたは国民に『作戦変更』を使ったんだ?」
「なんだと……?」
「あんたの言うことが本当に国民の願望に合致してるなら、『作戦』なんてかける必要はなかったはずだ。あんたは純粋に演説だけで国民に訴えればよかったはずだ。実際、アジテーションとして見ればよくできた演説だったよ。海外メディアが日本のヒトラーと呼ぶのももっともだ。だが、あんたは、その演説の最後に『作戦変更』を使ったな。それはなぜか。あんたは、自分の言葉に自信がなかったんだ。国民が自分の主張を受け入れてくれるかどうか、疑っていたんだ」
「そ、れは……」
「だからあんたは『作戦変更』を使ったんだよ。国民を洗脳し、世論を誘導するために。なぜそんなことをする必要があったのかと言えば、あんたの言葉が本当は国民の秘められた願望なんかじゃないからだ。よくて、極端な一部の人間の願望――悪ければ、あんたがあえて露悪的に歪めて解釈した、元の願望から大きくかけ離れた願望だ」
「ち、違う! 私にはわかるのだ、人が心の奥底に秘めたものが……」
「それは本当なのかもしれないな。だが、おまえは信じられなかった。人々は、必ずしも秘められた本当の願望に従って動くわけではない。人々を秘められた願望通りに動かすには、なんらかの形で
まあ、他の国の人と比べて本当に倫理的と言えるのか、みたいなことは、大がかりな国際調査でもやってみないことにはわからないと思うけどな。外国には外国なりの、その国の文化に沿った倫理観があるんだと思うし。
「要するに、おまえのやったことは、おとぎ話の悪魔がやるのと同じことでしかないんだよ。人の道徳心を鈍らせた上で欲で釣って、むりやり人々の薄暗い欲望を表に引っ張り出したにすぎないんだ。そうすることでおまえは、『やっぱり人間は欲にまみれた身勝手な生き物だ』なんて思って、ひそかに優越感を覚えていたんじゃないか? それもまさに悪魔のやりそうなことだよな」
「悪魔、だと……この私が?」
「あんたは神になりたかったんだろうな。でも、結果はその逆だ。あんたは悪魔だ。あんたはこの国に望まれていない存在だ。国民があんたを承認しただって? とんでもない! 『作戦』が解けた今の状態を見てみろよ。国民はあんたのことなんか認めてない。そう言いながらも心の内側では認めてる、なんてこともありえない。よくも自分たちを騙して、いつも懸命にこらえている薄汚い欲望を引っ張り出してくれたな――たいていの国民がきっとそう思ってるはずさ。あんたは国民を理解したんじゃない、愚弄したんだ」
凍崎が、どしゃりと膝をつく。
「では、私は……この私はどうなる? 祖母に心を壊され、感情を奪われ、これまで他人の人殻をかき集めながら、他人の欲望に必死に応えて生きてきた私は……」
「それは自分の意志じゃない、なんて言わせないぞ、凍崎。それこそが、あんたの意志だったんだ。あんたの生まれ育ちには同情する。そんな境遇だったら、他人の後ろ暗いところばかりが目に付くようになるのも当然かもしれねえな。だが、あんたは自分の意志で選ぶこともできたはずだ。他人を虐待するような人間の人殻ばかりを集めて人格を構成するか、それとも、他人を助け、世の中を少しでも良くしようと努める人間の人殻を集めて人格を構成するか。『逃げる』道はあったのにそうしなかったのは、あんたが心のうちに復讐心を抱えていたからなんじゃないか? 祖母への――あるいは、自分を助けてくれない世間への。それこそが、あんたがずっと求めてた、
「そんな、ことが……」
凍崎は床に両手をつき、執務室の絨毯を呆然と見つめる。
やがて、
「う、あ、うあああああああああっ!」
頭を絨毯に突っ伏し、凍崎が号泣する。
恥も外聞もなく一心に泣くその姿は、とてもいい大人のものとは思えない。
その姿はむしろ、小さな少年のようだ。
祖母・夜羽の虐待にも等しい修行に耐えかね、泣き出した少年。
あるいは、その修行からようやく解き放たれ、泣き出した少年。
「行きましょう、はるかさん」
「えっ、ええ……」
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