第3話 ロールプレイの憂鬱《ゆううつ》
むしろエミリーにとって
人間に扮した天使がエミリーを責めたり、裁いたり、傷つけたり、してくるので、即座に本音の気持ちを回収していかなくてはいけないのです。
まず、責めているのは注意してくれていること。また単に無愛想だったりで、相手は何にも考えてない場合もひっかけであるので、臨機応変に対処するのが大事なのです。
もっと、難しいのは残りの二つで、人間の自分を守るために攻撃的になる感情の殻をうまく割りながら、裁いているのではなく、訴えているんだということと、傷つけようとしているのではなく、愛されたがっていることに気づくこと。
それに、エミリーのように自分に自信がないと人の言動を誤解して辛く感じちゃうから臨機応変に対処することは難しい。
はぁー。お昼がわりのマシュマロ入りのココアを飲みながら、オカマ属性のある担当上司の言葉をエミリーは
「エミリーあんたわね~色々な人の苦しみを理解せずに、一人だけ自殺して楽になったんだから、むしろ開きなおってずうずうしくなっておしまいなさいっ。おおらかな気持ちで自分や人間と向き合えば瞬時に相手の気持ちもわかるわよぉ~。さもなければ神様がもっとも嫌う自分の命を粗末にしたあなたなら、
今もエミリーの脳の片隅で、「やる前からへこんじゃって面白い子ね。人間界で何回か実地をしたあなたならわかるように、実際の仕事はもっと苦しいし、大変なの。きちんと逃げずに訓練受ければ例え失敗したとしてもなにかいい点を教えてくれるわよっ」とテレパシーを送ってくる。
「あと、エミリー、頭も身体も使うんだから、もっとちゃんとパンとかパスタも食べなさいよ。あーっ、でもやだってって口答えするとまた減点するから早く買いなさい。基礎点の百円が時給から消えたら、あんたの借金しているゴスロリの返済がますますおそくなるわよ。それに私もあんただけの担当じゃなく忙しいんだから、手をかけさせないでねっ」と髪の毛の天使の輪っかキューティクルを白く煜かせ《かがやかせ》エミリーの思考から消えていった。
そして、エミリーも時計を見つつ、サンドイッチを買いにレジに急いだ。
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