聖なる夜に

オッケーいなお

第1話 聖なる夜に

女「私はもうあなたとは…」

男「そんなつもりじゃ…」


2人は付き合って半年。

感情を表に出せない彼と、それを不満に感じてきた彼女の話。


女「いつもあなたは何を考えているかわからない。」

男「別に何も考えてないけど。」

女「あなたからは何も伝わらない。」

男「ちゃんと大切に想ってるよ。」

女「伝わらない。それじゃ…」


彼は人に感情をうまく伝えられないのだ。

いつも人に対して自分の感情を押し殺し接しているのが裏目に出て。


…なんで上手く伝えられないんだろう。


そんな事を考えても上手くいかない。

でも大切に想ってるのだが。

どうやっていいかわからない。

元から人が苦手な彼はまた自分の殻にこもろうとしていた。


…やっぱり1人がいいのかな。


その時どこからか声が聞こえてきた。

誰もいない部屋の中。

幻聴だ。

そう思った時


「強く想うのです。それはきっと伝わります。ただし今夜だけ、そう特別な今夜だけ。」


…なんだ?今夜だけ?

ん?今日の夜?


彼は仕事から帰り、ツリーを出した。

近年は出したことないクリスマスツリー。

1人でも綺麗に感じた。

でも2人なら。

そう思い携帯でメッセージを送る。


「メリークリスマス」


たった一言だけ。


彼はツリーを見つめて想う。

大切な彼女の事を。


ピンポーン


「メリークリスマス!」




        完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

聖なる夜に オッケーいなお @k160204989

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ