ロリコン御用達。
「なるほど、クララちゃんは素早く動けるようになったのね」
「そうなのー! すごいでしょ!」
クララはジータに自慢げに話す。ジータにも「こんな小さい女の子に手を出して……」と怒られるかと思ったが、やっぱりこの世界ではそういう倫理観はないようだ。
「で、そのクララちゃんに合った装備が欲しいと」
「そういうこと」
ジータの店に来たのは他でもない、クララのための装備を買うためだ。この間のゴブリン討伐のお蔭で変に金はあるし、初期投資をしっかりしておくに越したことはない。
「そうね……素早く動くのならばできるだけ軽い装備の方がいいよね」
ジータはカウンターの棚の中やらなんやらを探してくれた。その最中に「あ、そういえば」と何かを思い出したように立ち上がった。
「ちょうどクララちゃんにちょうどいいのがあるよ」
「ほんとー?」
ジータは一度店の奥に引っ込んだかと思うと何かを持って戻ってきた。これは……。
「スクミズじゃねえか!」
「お、ヒロキよく知ってるね。これはスクミズって言って魔法耐性が付与された装備なんだ。物理攻撃には若干弱いけど軽さは抜群!」
いや、そりゃあそうかもしれねえけど……。確かにロリといえばスクミズのイメージあるけどさあ……エロゲ世界じゃなんでもありかよ。だいたい胴体以外ほとんど露出してるし。
「それじゃあ着替えてみよっかクララちゃん」
「うん!」
クララはスクミズを見て目をきらきら輝かせると着ていたワンピースをその場で脱ごうとした。
「わーーーっ!!? クララ、さすがに着替えは奥でやれ!?」
「えー」
「いいから!」
ジータにお願いしてクララを奥の倉庫の方に連れて行かせる。ロリを犯した身で言うのもなんだけど流石に誰でも入れるお店でロリを裸にさせるのはまずいってよ。そもそもこの世界に外で裸になることの抵抗感があるのかは知らないけど。
「じゃーん」
数分後、奥への扉が開いてスクミズを着たクララが顔を出す。これは……。
「どーお?」
「クララちゃん似合ってるよ~」
「に、似合ってると思うぞ」
アナに合わせて無難なことを言ったが、正直エロ過ぎる。サイズが一回り小さいのか知らないけどかなり全体的にぴちぴちだ。そのせいで胸やお腹の凹凸がものすごくはっきり見えて、単なる裸よりもエロい。
大事なところも食い込んでいてスジとその両側のお肉のラインが丸見えだ。さらに言えば胸の先端の突起も薄くではあるが透けてしまっている。実質防御力ゼロだろこんなん。
「気に入ってくれた?」
「うん!」
……まあクララが上機嫌だしこれはこれでよしとするか。目の保養にはなるし。
「それで武器もやっぱり軽いものにしたいよね。短剣とかどうかな」
「ああ、いいんじゃないか?」
短剣は扱いやすそうだがリーチが短いのが弱点だ。その点クララなら素早い動きですぐに相手の懐に切り込めるだろう。
「盾はどれも重いから持たない方がいいだろうし。クララの装備はこの二点で充分かな」
スクミズ姿でナイフを持ったロリって色々な意味で危ない絵面だが、まあ装備の専門家がこれでいいと言うんだからいいんだろう。
「……それで例のミスリルの盾についてなんだけど」
クララの装備も決まって一息つけるかと思ったら、ジータが新たな話題を振ってきた。ミスリルの盾、というのは例のゴブリンの群れが何故か持っていた、かなり上級者向けの盾のことだ。持って帰ってきてからジータに鑑定をしてもらっていた。
「こいつらは正真正銘ミスリルの盾だね。ちゃんと使える」
「そうか……」
つまり淫魔が適当に用意できるような代物ではない、ということだ。謎はなおさら深まるな……。
「そういうわけだから私たちは好きにこれを使えるわけだけど……ヒロキとアナは使う?」
「いえ、無理です」
俺とアナで四つのミスリルの盾を持ち帰ってきたんだが、これがまあ重い。盾全部にぎっしりコメが詰まってんのかと思うくらい重い。これを持って戦うなんて俺にはとてもじゃないけど無理だ。アナも同じらしく、まゆげを八の字にして首を横に振った。
「そう? じゃあうちの売り物にしちゃうけど。私が一つ使うとしても三つのミス盾は儲けものね……」
ジータはそう言いながら両手に一つずつミスリルの盾を持つとひょいと奥の倉庫に持って行った。多分この中でミスリルの盾を使えるのはジータだけだろう。あんなに細いのにどっからそんな力が出るんだか……(戦闘中じゃないから腕力強化ないし)。
「それじゃあ、これから何日かクララの腕を磨いてやってくれ」
「短剣についてはあんまり知らないけど、まあやるだけやってみるよ」
ジータはそうは言っても武道大会で優勝するくらいだし、ハンマーだけでなく戦闘そのものの技術も高いはずだ。なんなら俺もクララと一緒に剣術を学ぼうか。
「お願いします! ジータ先生!」
ふざけ半分(いや、真面目ではあるんだけど)で特訓を頼んだ俺とクララはすぐに大後悔することになるのだが、それはまた別の話。
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