第64話47.そしてBADENDへ…。2

〇月×日の前日に…。

移動の紋章を使い、王都のフランの屋敷へやって来た。

転移小屋の扉を開けると…。

「おお。王都はもう春だな。」

日差しが暖かいじゃないか…。

増えた家鴨の集団をそこのけそこのけ。

中庭をオットーが歩く。

玄関に回った方が良いだろう。

ロータリーをよけ玄関のダァー☆をノックする。

「どなたでしょうか?」

この声は…。”→ フラン   エレノア   ベスタ  ”いやいや。

選択方式ではない。

「マルカ。俺だ。帰ってきた。」

「旦那様…。」

扉が少し開きマルカの姿が…。

幼い頃とは違い成長してばいんばいんだ…。

思わず皇帝の娘と心の中で見比べてしまう。(工口目…。)

「ただいま、マルカ。やっと国元が落ち着いた。フランやベスタは?」

「フランさんとイネスさんは学園へ行っています。クリザンヌさんとジェーンさんは子供達と一緒に王宮です。今日は総出で子供達は全員、宮廷の馬車に乗って行きました、ベスタさんは学園に迎えに出たばかりで。今は家に居るのはわたしとエレノアさんしか居ません。」

「クロウも王宮か?」

「はい。大きな子供達は全員。」

昨今、王宮への通いは車列に成っている。と聞く。

「フーム。何か変わったことは無いか?」

「はい…。皆さん元気です。」

胸に手を充てるマルカ。

指輪が光っている。

「そうか…。中に入ろう。明日、午前中に宮廷に登る…。馬車はベスタに頼もう。」

玄関でコートを脱ぐ。

「はい。明日の予定はないハズです。」

手伝うマルカ。

うむ、王宮で窮地に立った時、逃げ出す為にはジェーンから移動ポーンを受け取る必要がある…。

今晩の夕食時に切り出せば良いだろう。

「そうか…。では小さな子供達の顔をみてみよう。」

育児室へ向かう途中にエレノアたんと遭遇し思わず抱きしめてしまう…。

うむ、ばいんばいんだ!

その後…子供達の寝顔を見ていると、王宮から馬車の車列が家に到着した。。

続々と子供達が降りてくる。

ハーフエルフの長女を先頭に。

「へネス。元気か?」

「おとうさま。お変わりなく。」

エリザヴェータエリザ背が大きくなったな。」

「はいっ!お父様。」

「クロウ元気か?」

「はい…父上。」

おう…クロウ元気ないな。

相変わらず自分が奴隷の子だと引け目を感じている様子だ…。

男は腕っぷしだと言って居るのに…。(ジェーンとクリザンヌが強いので未だ敵いません)

「「お父様だー!!」」「お父様、お久しぶりです。」

「おお。チビ達も大きくなったな。父はうれしいぞ!」

子供チビ達は何故かエルフ耳が多い…。

イネスが際限なく子供を産んでいる。

「さあ、お風呂に入りますよー。」

「「「はーい!!」」」

お姉さんへネスが誘導してちびっ子達が風呂に向かう。

ジェーンとクリザンヌ、エレノアたんとマルカ、お茶をしながら妻達の近況を聴く…。

妻達の変わった所では。

最近、フランは歳を理由に”もう産まない”宣言をしたそうだ…。

その為、他の妻達は子供を産むのを迷っている…。

ジェーンとクリザンヌ、エレノアたんは未だ産みたいそうだ。

マルカとベスタは仕事に差し支えなければ…。

とのことです。

フラン…。確かにもう歳だ、だが紋章の力を舐めてもらっては困る。

今のオットーの〒ィンホ゜(真珠入り)

この棒力に耐えられる事ができるかな?

相変わらずマルカは良く働いている。

マルカが家事の合間に手を付けている家鴨孵化場は順調に利益を出している。

農家の皆さんからの評判も良いようだ。

今ではマルカは近隣農家から”家鴨の女王”と呼ばれ、ちょっとした小金持ちだ。

子供達が風呂から上がり。

妻達は食事の準備のため席を立った。

年上組は食事の手伝いに向い。

俺は纏わり付く子供ちびっ子達とキャッキャウフフしながら、戦場の心を洗浄する…。

家族とは良い物だ…。(子沢山)

その後フラン達が学園からベスタの操る馬車で帰ってきた。

「オットー君ひさしぶりー!」

飛び込むフランを受け止める。

「旦那様…。」

「ああ、生まれた子はさっき見た。女の子の様子だが…。名前はなんだ?」

微笑むイネスは未だ産んだばかりだが…。

未だ行けそうだ。

「モネスです…。」

「そうか…。モネス。」

エルフのネーミングには一定の法則があるそうだ…。

なのでイネスの子の名図けはイネスに任せている。

男の子は毎回、一覧を持ってきてその中で俺が選んでいる。

…。

当初、九郎クロウの名付けは評判が悪かった…。

王国語では語感が悪いらしい。

俺のネーミングセンスが無いのの予防線では…。

まあ良いだろう。

皆が集まり食堂に揃う。

俺はお誕生日席で皆の顔を見る…。

妻達が近くで、ちびっ子達は年上の子の隣だ。

兄弟がちびっ子達の面倒を見る。

この家のルールだ。

食事前のこの家、唯一の静寂な一瞬。

「では…。諸君。豊穣の女神に感謝を。」

祈りが終わり子供達の雑音に静寂がかき消される。

「ジェーン、すまないが。転移のポーンを貸してくれ。」

「はい。どうぞ。」

メイド服姿のジェーンがポケットからポーンを出した。

受け取り、眺める、久しぶりだ…。

コレがあの時在れば…。

いや、止めよう。

「オットー君は明日どうするの?」

「フラン、国王陛下からの呼び出しだ、明日午前中に謁見する事に成っている。」

「あら…。そう?珍しいわね。」

「本当に。」

「国元での帝国とのゴタゴタを直接報告する事に成っている。ベスタすまないが馬車を使うぞ。王宮にむかう。」

「はい、わかりました。準備しておきます。」

「全員、明日は一日、家で過ごしてほしい。」

「?いいけど?」

「なんで?」

「特に約束はありませんが…。」

「急ぎの用事もありませんし…。旦那様がそう言うなら。」

「すまんな…。もしもの時に対応する為だ。」

その言葉で妻達が呆れる。

俺が心配性おじさんだと思われてる…。

「わかったわ…。明日は何処にも出かけないわ。所でオットー君。何か他に言う事は無いかしら?」

「何か?」

「そう…。何か。メイドの事とか?」

このフランの表情は何か知っている顔だ。

「むっ!この屋敷の手伝いが必要か?」

「いえ…。そうじゃなくて。オットー君の領地だから文句は言わないけど…。新しい若いメイドの話…。とか?」

なんでしってるんだー!

「う、む…。そうだにゃ。いや、特には…。何か噂が有るのか?」

青筋たったイネスが答える。

「最近王都で噂です…。ね。」

「うーん。なんか、隣国に攻め込んで…。娘さんを攫って酷いこととか?」

「いや、戦争なのだ…。そう言う事も少なからず在るだろう。」

「ふーん…。で。若いメイドとか?」

「いや、ソレに関しては…。うむ、明日。帰ってからゆっくりと話そう。」

クリザンヌからの情報では王宮は平穏で。

初め、国王に帝国の外交官が”遺憾の意”表明しただけだが。

20日前まで、毎日、外交官が国王に面会を求める程に成ったそうだ。

たぶん、国王が俺の手紙を受け取った頃だな…。

とんぬら国王は俺をどうする心算なのか…。

王国の国策と政治的方針には外れていないので、俺に詰め腹切らせる事は出来ないだろう。

何せ、俺は辺境伯だ。

王国に取っての外敵を排除するのが仕事だからだ。

明日に成れば解る事だ。

全員をフレンド登録すれば、国王が乱心しても国元にポーンで移動して全員を匿う事が出来る。(辺境伯ご乱心)

我が所領の軍で強力な王国軍に勝つことは出来るか…。

メテオストライク以外にアイデアは無い。

焦るんじゃない。

未だフラグ判定の時間ではない。

明日の謁見でエンディングが見えるのだ…。

これまで積み上げてきた…。

俺のフラグ!

俺のターン!

俺の家族の団らん!

俺の領地!

俺の手に入れたハーレム!

全てを守って見せる!!


俺のゲームだからな!!

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