第53話43.ターニングポイント
敵地に向かう間に思案に暮れる。
しかし、敵発見の報告が無い。
順調に行き過ぎていて困る。
もっとお宝とちゃんねーを求めても良いのではないのか…。
心の中で誰かが囁いている。
無論、地獄の淵が見えない状態では悪魔の声で、成功すれば神の声だ。
まだ慌てる時間ではない…。
情況を確認するため、アルカンターラ郊外のはだかの司令部へと向かった。
馬車を降りて大天幕へと向かう。
「ご領主様!」
「作業の進捗はどうだ?」
「はい、城塞の全てを占拠しました、抵抗勢力は完全に排除。馬車の接収も終わりました。」
「学院へ回す馬車はどれほどか?」
「それが…。」
言い辛そうなはだか。
成程、向かわせる馬車は無いのか…。
「学院で確保した女がこのアルカンターラまで前進した場合は?」
「それならば、エルフの
なるほど…。
時間を稼ぐ必要があるな…。
「再度進攻を行なう場合どの程度のへ団を抽出できるか?」
やるか?帝都進攻。
「いえ…もう既に、帰還の為。多くを輸送体の護衛に張り付けています。」
困惑気味のはだか。
帝都の見える丘まで俺が前進すれば帝都を魔法で焼き付くす事が可能だ…。
少々、照準が甘く成るが、でっかい石を落としても良い。
又、冬が来るが何とかなるだろう。
「まだやるんですかぃ!」
別のモヒカンが悲鳴に近い質問だ。
「いや…。敵が来ないのだ。敵が何をしているのか確認する必要がある。」
見た事がある、顔に古傷の年配のヒャッハーだ。
威力偵察にも引っ掛からなかった、通常、何処かで敵が集結しているハズだ。
政治的な理由で動けないのなら話は別だが…。
「申し訳ございぁせん。ご領主様。恥ずかしいマネをみせちぃまって…。あっしはガキの時分に帝国に故郷を焼かれて逃げた口でして…。」
ああそうか、樵場で見た
「そうか。」
今は俺達が焼いている、そうだ、ざまぁだ!
「今回の仕事は初めはずいぶんと気分が良かったんですが、村からお宝を運ぶとガキが俺をにらむんでさぁ…。」
「うん?」
「いえね…。俺は未だ自分の名前も言えない様なガキの頃だったんですが今でも思い出すんさぁ。帝国兵は俺を
「そうか…。」
目に涙を溜める顔に傷のあるモヒカン…。
「すンません、こんなテメェ勝手な話を。」グズッ
周囲の兵の顔を見る。
「いや…。女の叫び声も耳に付いちまって…。思い出すと嫌なもんで。」
「夜中寝てると聞こえるシクシク泣く女の声ってのも、陰気なもんでさぁ」
モヒカン達の中にも嫌戦気分が広がっている様子だ…。
「馬車の数が足りません。ソレに街道上に…。」
はだかが報告する。
「街道上がどうした?」
「街道上の草が無いという報告を受けています。家畜も大量に移動させたので…。」
ヤギやロバの類は粗食に耐えれるが、草原をあっという間に丸裸にしてしまう。
「ああっ!」
「途中、荒れ地の場所も有ります。食事を与えないと体力の無い家畜や馬は移動できません。各村の飼葉は粗方使い尽くしました。」
ココに来て…。
略奪しているのに、食料も馬車は有るのに
エルフの
一回の給油で連続数百キロ走れる…。
機嫌も文句も言わない休憩も要らない夢の貨車だ。(ブラック勤務)
魔法が在っても万能ではないこの異世界。
翔ちゃんの世界の様な魔法の道具は今はない。
コレはもう無理だ…。
「解った、このまま撤収作業が終了しだい撤退する。最後の馬車、へ団が
「「「
「諸君!さあ、落ち着いて逃げるぞ!!但し、お宝を捨てて逃げるようなみっともない真似はするんじゃないぞ!!」
笑うヒャッハー達。
湿気ったモヒカンはもう居ないぜ!
(´・ω・`)13日の月曜日!!
(#◎皿◎´)諸君!クリスマスは終了だ!大人しく原隊に復帰せよ!!
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