年越しはくりすます
「くりすますー。大晦日だぞ」
「大晦日ですね」
「今年の振り返りとかは年末に通り越してもう歌番組だ」
「歌番組の中でも今年の振り返りやるでしょう」
「やるなー。その後に寺とか神社とか映るやつでもう今年明けるなーって思って明けたなーって思うんだよ」
「はい」
「あっ挨拶しとかないとな、今年もお世話になりました」
「メリークリスマス」
「なんで!?」
「僕はくりすます。くりすますの存在するところは永遠にくりすますになるんですよ」
「何を言ってるんだ???」
「すみませんが、そういうものなんです」
「いやすまなくは……すまなくはないが……」
一瞬くりすますが壊れたのかと思ったが、これ正気みたいだな……。
永遠にくりすますになるのがすまないのかって考えるとこんな俺と一緒にいてくれているのだし全然すまないとかなくてチャラだろと思うから別にいいというか、いいんだ。
「だからいいんだ」
「いいんですかね、それ」
「いいんだよ」
「メリークリスマス」
「今それ言うとこだった!?」
「これはあなたを元気付けようというあれでして」
「元気なかったか俺?」
「ローではありましたね。ローって低いって意味のローです」
「ハイの逆のローね、はい」
「それはギャグですか?」
「いやわざとじゃないから」
「そうですか」
「ほら早く年越しうどん食べないと冷めちまうぞ」
「はい」
「ギャグか?」
「違います」
うどんを食べるくりすます。
歌番組の出演者が「よいお年を」と言う度に「メリークリスマス」と返すくりすますを見ながらシュールだなあと俺もうどんを啜っていた。
そんな年末。
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