1月11日 06:45

「おはよー!」

「……おはよう」


 目を開けると、日々姫がいた。 


「今日はどうしたんだ?」

「んー? 起こしに来ただけだよー」


 スマホを見ると6時47分。


「なんでこんな微妙な時間?」

「いやー……7時まで待とうかと思ってたけど、結人自分で起きそうだったから」

「だから目の前にいたのか」


 起きてすぐに人の顔があるのはびっくりする。


「今日は何の日?」

「成人の日」

「だね。あと、今日は冬休み最終日だよ!」

「そんな元気に言うことじゃないだろ」


 明日からは再び学校が始まる。


「今年は成人式も延期になってるところ多いみたいだな」

「なんかねー、別の学年と合同になったりするんだってー。千兎世ちゃんのお姉さんが今年成人式の予定だったんだってー」

「合同って、一つ下の学年と一緒にやるってことか……」

「邪魔そうだよねー」

「すこし思ったけど言い方考えろ」

「だってー、久しぶりに同級生に会いに来たら知らない人がたくさんいるの嫌じゃない?」

「合同になっても話す人は同級生だけだろうし、気にしないんじゃないか?」

「そっかー……」

「でも、あんまり実感というか、成人式って中学で集まるんだよな? 2年前だと大して感慨深くないからなー」

「まだ5年くらいあるからね、そういえば、成人式って男子はスーツなんだよね?」

「そうなんじゃないか?」

「なんで女子は振袖とかなのに、男子はスーツなんだろうね?」

「さあ」


 別に服装は指定されてるわけじゃないらしいけど、慣習でそうなってるって聞いたことがある。


「来年の……今年の? 大晦日は振袖着よっかなー」

「……大晦日にスーツはおかしいな」

「だね、でも卒業式はスーツだったよね」

「そういえば、卒業式で着るんだっけ」

「数人だけ袴を着てた人もいたよね」

「スーツは着る機会も増えそうだけど、袴の方はなかなか着る機会が来なそうだもんな」

「振袖は……いつ着るんだろ? お祭りとか?」

「まぁ、普段着ちゃいけないってことはないだろうけど……」


 そもそも振袖と着物の違いもよくわからないし。


「そういえば、振袖のレンタルが当日に間に合わないってニュースあったよね」

「あったな」

「あれって、あとで届いても困らない?」

「届かないと思うぞ? 確か、そういう、振袖とかウエディングドレスとか、必要な時に届かなかったときは、全額返金されるって説明してた気がする」

「私たちの時はそういうことがないといいねー」

「そうだな」

「……」

「……課題は?」

「手伝ってっ!」

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