エッセイで主役の私ですが冷静な目で見ると妙におかしくて困ってしまいます

黒羽カラス

第1話 いいじゃない

 小説は面白いから書く。それでいいじゃない。


 書き上がった作品を誰かに読んで貰いたい。

 だから文芸サイトに投稿する。それでいいじゃない。


 せっかくサイトに投稿したのだから評価されたい。

 もっと注目を浴びたいから努力を惜しまない。それでいいじゃない。


 書いた作品はこんなに面白いのにほとんど読まれない。読まれないから正当な評価がされない。それならどんな手を使ってもいいから読まれるようにすればいい。不正はばれなければ不正じゃない。それでいいの?


 努力をしても読まれないなら、読まれている作品の内容を真似ればいい。アイデアは盗作にならない。文章をそのままコピペしたら問題になるから少しは弄る。みんな誰かの何かを真似して作品を書いている。リスペクトって言葉もあるし、みんなだって少しの罪悪感を持ってしているんだ。自分だけが悪い訳じゃない。本当にそれでいいの?


 作品を書き始めた時の気持ちを忘れないで。

 楽しいから始まった、その時の気持ちを無かったことにしないで。

 それに作品が誰からも読まれない、面白くないなんて絶対にないから。


 だって、そうでしょ? あなたは作品を書き上げたんだよ。最初から最後まで楽しく読めたから、その作品を面白いと思ったんだよね。誰よりもあなたが作品を理解している。そのあなたが認めた作品が面白くない訳がない。


 実はね。私も楽しんで小説を書いている。自作を読んで面白いと思っている。誰かに読んで欲しい。楽しいって感想で伝えて欲しい。そんなことも思っているけれど、自分が楽しかったんだから、それでいいじゃない。その気持ちも本当なんだよ。


 だから最後にこれだけは言わせて欲しい。

 書き上がった作品は絶対に面白い。誰よりも作品のことを知っている、作者のあなたならわかるよね。その自信は薄っぺらなものではないから、少しくらいの風に吹かれたって揺らぐことはないよ。

 強い心と真っすぐの視線で前を向いて歩いて行こうよ。


 それでいいじゃない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る