僧肇2 當に相い挹さらん
かのクマーラジーヴァが
そのニュースを聞いた
遠路はるばるクマーラジーヴァのもとに。
そんな僧肇を、
クマーラジーヴァ、激賞した。
クマーラジーヴァが
各経典の訳文見直しを命じる。
もともと僧肇、ブッダが入滅して久しく、
そこから時代を下るうちに
文章が雑多になり、また先人の解釈も
所々おかしくなっていると思っていた。
クマーラジーヴァを交えての検証を経て、
多くの気づきを得た僧肇。
クマーラジーヴァに提出した。
クマーラジーヴァ、これを読んで称賛。
「私の解釈力は
あなたに勝らずとも劣らぬが、
表現力については及ばぬな!」
後羅什至姑臧,肇自遠從之。什嗟賞無極。及什適長安,肇亦隨入。及姚興命肇與僧叡等入逍遙園,助詳定經論,肇以去聖久遠,文義舛雜,先舊所解,時有乖謬,及見什諮稟,所悟更多,因出『大品』之後,肇便著『般若無知論』凡二千餘言,竟以呈什。什讀之稱善,乃謂肇曰:「吾解不謝子,辭當相挹。」
後に羅什の姑臧に至れるに、肇は遠きより之に從う。什は嗟賞せること極まり無し。什の長安に適せるに及び、肇も亦た隨いて入る。姚興の肇に命じ僧叡らと逍遙園に入るに及び、經論を詳定せるを助け、肇の聖の久遠に去れるを以て、文義は舛雜にして、先舊の解せる所、時に乖謬有りとし、什が諮稟に見えるに及び、悟る所更に多く、因りて『大品』を出だしたる後、肇は便に『般若無知論』凡そ二千餘言を著し、竟うるを以て什に呈ず。什は之を讀みて善きを稱え、乃ち肇に謂いて曰く:「吾が解は子に謝さずも、辭は當に相い挹さらん」と。
(高僧伝6-6_文学)
クマーラジーヴァの理解力そのものは僧肇がどうにかできるものではなかったのでしょう。けれど、文章表現だけで言えば僧肇のほうが上だった。まぁそりゃクマーラジーヴァは外人で、僧肇はド漢語圏人ですしねえ。逆に漢語圏の名手にクマーラジーヴァが勝てたらやべーわ。
次話以降、そんな名手が書いた論説の一部が収録されますが、盛大にスルーします。ただ原文は置いとくので、頑張ってみて☆
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