04

特に大学にもたらされた求人ではなく、一般の求人サイトで突然募集がかかった案件だ。

こんなタイミングは滅多になく、こんなところで働けたら素敵だよなあというアルバイト感覚に似た単純な理由でとりあえずエントリーしたのだが、もちろん一花はただの勢いでエントリーしただけなので、この会社の企業情報や将来性のことなど何も考えてはいなかった。


当然エントリーシートはコピペで使い回し、本当に、疲れていたのか一花のただの気まぐれだったのか、エントリーしたことさえ忘れている状態だった。


それがまさか最終面接までいき内定がもらえるだなんて、当の本人が一番驚いたものだ。


さらに驚いたのは仕事内容だ。


受付事務。


事務作業が主だとばかり思っていたのに、愛想がいいわけでもなく特別綺麗なわけでもないのに、企業の顔ともいうべき受付に一花は座っていた。


何を評価されたのかまったくわからないが、確かに応募したのは“受付”事務であったことは否めず、納得はいかないものの業務は確実にこなす日々を送っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る