獣人国の病院に新しい看護師が入ってくる
「エミリア・デュランダルです。不束者ですが皆様どうかよろしくお願いします」
純白の看護師(ナース)服に身を包んだエミリアが他の看護師たち(ユエルとヴァイスなど)にそう言って頭を下げてきた。
考えた末にエミリアには当獣人の国の病院で働いてもらう事にした。側に置くという彼女の要望に対する回答がこの結果である。
王国での事は国王に任せる事になっている。彼女はそれで構わないそうだ。国王も娘の好きにさせる方針のようであった。
「わーっ! この病院も一気に賑やかになってきましたね」
「ええ。その通りです」
ユエルとヴァイスもエミリアの加入を喜んでいたようだ。私と結婚できるのが一人でないと理解した時、彼女達のわだかまりもなくなったようだ。
皆仲良くなれるのは良い事だ。喧嘩はよくない。平和は素晴らしい事だ。
だが私も仕事が落ち着き、余裕ができたら決断をしなければならないとは思うのであった。
「お姫様がいっぱいなのだっ!」
「ええ。その通りですね。三人もそれぞれの王国のお姫様がいます」
「こんな病院見たことないんだ!」
竜人四姉妹もエミリアを歓迎していた。
「確かに、見た事はありませんね」
「あらあら。しばらく見ない間に賑やかになっちゃって」
ミシェルが訪ねてきた。
「お母様!」
「シオン先生。どうやらわたし熱があるみたいなんです。よろしければ見てはいただけないでしょうか?」
「ええ。構いませんよ。それでは皆様、今日も素敵な笑顔で患者様を出迎えてください」
「「「はい!」」」
こうして獣人の国の病院は営業を開始した。
獣人の国の専属ドクターである私――シオン・キサラギとその専属看護師(ナース)達の奮闘記はこれからも続くのである。
【FIN】
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