第5話 過去編とか流れたら打ち切りの兆し







「どうだった? ボクの迫真の演技は?」


「いや、なんなの? 最後の、おっぱい、揉ませてって」


「何かまずかったかい? それにしても言われちゃったよ『後で、絶対助けるから』!!」


そのころ、屋上で、間禽が差美を連れて言っていた。差美は闇の言葉に興奮する。


「それにしても君の『ワームホール』は便利だね」とのんきな口調で差美は言った。化け物にエグリ取られた部分の臓器はすっかり治っていた。


「あんたが、倒れている間に、私が『ワームホール』で空間移動させたの、感謝しなさいよ。」 


間禽 空子の能力は『ワームホール』この能力は自分が見たことがある来たことがある所だったら、黒い渦のようなもので空間を繋げることが出来る。その能力を使って闇が暴れていた間、差美は間禽の『ワームホール』という空間移動能力によって屋上まで運ばれてた。


「ところで、ちゃんとやったの? 抹消」


「あぁ、忘れてた」


「ちょっと、しっかりしてよ」


「大丈夫、大丈夫」差美の『オーダーメード』は、頭に刺すと、自分や他人の存在などの記憶を抹消させることができるのである。最大威力だと、その人物の存在を差美以外の本人ですら認知できなくなるのである。


 そして、もう一つ、物体、物質、能力の性質を一つだけ奪うことができる能力ももっており、


そのうち十個までは、自分がいつでも使えることができるようになっているのである。十


個以外は一日にすきなだけ使うことができるが、一日で使えなくなってしまうと言うデメリッ


トがある、今回、彼女のからだが再生したのは十個の能力のうちの一つである。


「ところで、メンテナンスは大丈夫なの?」と間禽が聞くと、「ああ、まあ上々だよ」そう言って『オーダーメード』を取り出す、そこには、腕のような形をしていた。


「あんた、それ」


「ボクは現金なんでね、ワールドアパートの能力、半分奪っておいた」そう言って差美は目を煌々とさせて屋上からの景色を眺めている。「さて、黒城 闇、君はボクの理想に寄り添ってくれるかい?」


その夜、「グワッハッハッハッハ!! ついに、吾輩の野望がに一歩踏み出す時がきた!!」


「はぁ、まさか、こんなところに彼女がいるとはねぇ」頭にプラス型の鋼が埋め込まれてある白衣の男と、小型の円盤に乗っている小さなロボットがいる。


 そこは、とある円盤の形をした宇宙船。中には、白衣の男、円盤の上に小人が乗っているような形をした小型のロボット、そして鼻くそをほじっている鰐がいた。その他にも、人型の機械が並んであった。しかし、悲しいことに、そこまで宇宙船が大きくないためか、兵器の大きさもそれなりに小さい物になってしまう。


「博士ぇ、大丈夫ですかぁ? こうみえても彼女、あの『ゴッドハザード』対策のために作られたサイボーグなんですよぉ」


「構わん、こうなることも予測済みだナビロボよ、ワシの計画に狂いはない!! こいつはれっきとしたゴッドハザード対策のためのサイボーグ、DALLSじゃ!! こいつで、あの方の依頼通りワールドアパートを討つ!!」ガッハッハッハと笑う横で、ロボットは溜息をついた。彼らの後ろには、セーラー服姿の少女が人口カプセルの中に閉じ込められていた。よく見ると足に『3』と言う数字がつけられていた。


 少女はカプセルの中でどのような思い出の中にいるのか


カシャ 少女の目にいきなり眩い光が入ってきた。直後「おはよう、NO・3」と男の声が鼓膜を揺らす。


 ココハドコ? ワタシハ、ナンバー、スリー?


「おっと、まだ意識が保てないか、じゃあ、後は保護真君ほごまくん頼んだよ」男がそう言った後にすぐ、白衣の金髪を後ろに一つ結びにしている女が現れた。


「あ、お、おはよう、私の名前は保護真ほごま 誠まことよろしくね、○○○」


「おいおい、君、いくら人間の感情を養うためとはいえ、名前を作る必要があるかね」


「ありますよ」女ははっきりと、小さな声だが耳にはっきり届いた。


「自分が何者か認識できる」そう言うと、白衣の男はやれやれ、と言って、部屋を後にする。


「あ、ごめんね、服が必要よね」女はそう言って、服をまるですでに用意していたかのように持ち出した。その服を少女はデータに入っており知っていた。


「セーラー服ですか?」


「そ、そう、ピンポーン!! せいかーい!! すごいな、もうデータ入っているんだ」と女は少し慌てた様子でそう言った。


「しかし、なぜセーラー服を?」そう言うと、女は、恥ずかしそうに体をもじもじさせて「だって、可愛いんだもん」と言った。


「そうですか?」


「うん、か、可愛いよ」


 少女はすぐに、セーラー服とスカートをはいた。


「きゃあああ!! 似合う似合う!! すっごく似合う!! ていうか、すっごく可愛い!!」少女が服を着ると女は子どものようにはしゃぎまくった。


「そうですか、そして、これも自分用のですよね」と少女は、自分が目覚めたカプセルに置いてあった刀を掴んで言った。そしてそのまま腰に付けた。


「あ、うん」すると先ほどまで喜びの嵐を吹き荒らしていた女は悲哀に満ちた顔に陥った。少女はなんだと思っていると、突然、ガシッと真剣な顔をして少女の肩を掴んだ。


「いい、○○○ちゃん、貴方は、誰かを殺すために生まれてきたんじゃない」


「は、はい」少女が戸惑いながらそう言うと「そ、分かったならよろしい」と言って真剣な表情をやめ明るい表情となり、少女の肩から手を離した。少女の第一印象は変な女だった。子どものようにはしゃいだかと思ったら、急に真剣な顔もち、目を決してそらすことをさせない真っ直ぐな瞳をする、へんな奴だと思った。ふと、その時、少女にある疑問がわいた。


「あ、あの、誠さん」


「ん? 誠でいいよ」


「では、誠さん」


「ご、強情だね」


「私は、何のためにうまれてきたんですか?」


 すると、誠は、目を見開いて、その後少し困った表情をした。


そして、少女の耳に自分の口を近づけた。


「それはね、自分で探すんだよ」






ゴボボ、ゴボボボボボ、セーラー服の少女はまどろみから目覚めると水の中にいた。


ここは、どこ? 目覚めた少女の目には、白衣の男、それに付き添う、UFOのようなロボットが視界に入った。


どうやら意識が無い内に体を奪われてしまったらしい。なら、少女は、突如、自分で腰に掛けていた刀を抜き出し自ら自分の体に刃を突き付けた。






「ガハハハハ、これで、吾輩の野望の一歩に近づき……」


「博士、博士!!」


「なんじゃ、こんな時に、」


「DOLLS、NO.3の姿が消えました!!」


「なんじゃと!!」


 白衣の男は、急いで、少女が入っていたカプセルを開けた。カプセルの中から、保水用の水が飛び出してきた。


「博士、これは一体」


「わしに聞くな、クッこの黒野様の計画が狂ってしまうとは、探せ!!、総動員だ!!」


「総動員って、私と博士しかいませんよ。」


「ええい、いいから探すのだ!!、あれは、ワシの物だ!!」


「そんなこと言われても博士ぇ」と二人が言い争っている内に水たまりに近い量の水が、少しづつ出口に向かって進みだしたやがて出口の扉を抜けると、みるみる内に人間の姿に変わっていった。それは、先ほどまでカプセルの中にいたセーラー服の少女だった。


「思ったより、頭が悪くて良かったわ、大事になるのはごめんだから。」


 さて、と腰を上げた所で、死相が出ているような真っ黒な目の中で、少女は、古い仲間のことを思い出していた。「この戦いが終わったら、おねえちゃん、私は普通の女の子になりたい」


 普通の女の子か


少女は、その後しばらく、何も考えず真っ黒な虚ろな目で歩き出した。




 その頃、西京橋という橋の下で、男2人、女が1人が一匹の犬に向かって暴力を振っていた


「おい、こいつ、まだ意識があるぜ?」


「お、ホントだ、もう目がないのにまだこっちを見てるぜ、おい、見てみろよ、汚らしい姿でこいつク~ンってないてやがるぜ。」


「ひょっとしてコウくんのことご主人さまだと思ってるんじゃない??」女はそう言うとキャハハハハハと笑い出した。


 弱々しい目で「くぅん」と犬は泣いて、それがまた惨めに見えてきたのか3人はキャハハハと笑い出した。


「そうかぁ、ご主人さまだと思ってんのかぁ、じゃあ、主の機嫌を損ねちゃだめだよなぁ!!!」そう言うと男は犬を蹴った。犬はク~~ンッと痛がるように犬は鳴きだす。しかし、また男の元に戻る。


「おいおい、なんで光一がご主人さまで初めに見つけた俺様がよぉ!!」こんどは別の男が蹴りだした。「なんで俺様をよぉ!! ご主人様じゃねんだよぉ!!」


「よぉ!!」と言うたびに男は犬を蹴りだした。その度に、犬の悲痛な声がか細く響き渡る。「あ~タカちゃあん嫉妬してるぅ」ギャルの女は、その様子を見て下品な笑い声を上げていた。


「俺はよぉ、お前みたいなやつ見てるとイライラするんだよぉ、よぉし、決めた」男は、そう言うと自分のポケットをまさぐり始めた。


「お、タカ君、なんかやっちゃうのぉ?」


「そうだよ、光一、おまえは、蹴ってこいつの目を潰したけどなぁ俺ぁちげぇんだよ」


そう言うと、男は、でかいペンチを取り出した。


「うわぁ、タカちゃんザンギャクゥ~」


「うわぁ、隆、お前、えげつないなぁ」


「うるせぇ、光一、早坂、みてるてめぇらも同罪だからな」


「はいはい」


「わかりましたよぉ」


男が、犬の顔を掴み、ペンチを舌に入れようとした時、






「ねぇ、それって楽しい?」






「ああん!!?」


男が振り返ると、そこには、何の街灯もついていない深夜のように真っ黒く、そして死んだ魚のような目をした少女が立っていた。


「あぁ、これ見られちゃったパターン??」


「ねぇ、どうする、この女、口封じに殺しちゃう??」


そんな、ことを言っている二人をよそに一番頭がブチ切れている男がズンズンと少女に向かいながら「なんだてめぇ、文句あんのか?、こんな汚ねぇ犬一匹や二匹殺しても誰も困らねぇだろうがよぉ!! まぁいいや、お前見られたからにはこのままじゃ生かしちゃおけねぇよなぁ」男は、そう言うと少女の体を舐めるように見ながら「まぁ、お前は中々の上物だ、まぁ殺しはしなくていいや、そのかわりおrtttt――――――――――」


 刹那、男は、自分の首から下を切断された。男は、自身の体が水となっていった。


 それをみた、他の二人は「あああああああああああ人殺しいいいい!!!!!!!!」


と叫んだが、叫び声の途中で、二人の声は、止まった。何故なら少女が、2人の体を刀で切断したのだから。2人の体も、切断直後、水となっていった。


 残ったのは、少女と、目をケガした犬だけ。


「あなた、目は大丈夫なの?」少女はそう言うと犬の体を抱きかかえた。犬の目は左目が潰れていた。


「目が潰れている」そう言うと、少女は、河原にあった石を何個か投げ切断した。そしてやがて水に変えると、「ちょっと、痛いけど我慢して」と言って潰れていた左目に一気に水をかけた。犬はキャウンッと鳴き、水の噴射をうけるとすぐにその場を去った。するとやがて、潰れてあった。左目は、元通りに戻っていた。切断したものを水に変え、目などの物体の代わりにしたりすることが出来る、これが、少女の能力だった。


「まぁ、水の手当も終わったし大丈夫でしょう、今日はここで眠ますか」


『だから、○○○ちゃんには、ネコちゃんを幸せにしてほしいんだ』そう言えばそんなことを言われたこともあった。昔を思い出し、少女は橋の下に刀を腰に置き。そのまま眠った。


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