恋するミッション

東雲才

任務失敗...?

––––ここはフィアデル王国。国王、カール・フィアデルは反王国的組織の後ろ盾となっている名門一家を突き止めた。そこで第二王子のルークは父親からその一家の一人娘アリア・スタレットと結婚し、組織を解体させるという任務が課せられた。その任務を達成するために、ルークはルーク・ラングレーという偽名を使い、アリア・スタレットの通う超名門校、ウェストランドカレッジに通っているのだが...





「おい、ルーク。今日ずっと元気ないけど、どうしたんだよ。」

「............振られたぁぁぁぁあああああああ!!!!」



ルークと一緒にいるのは国王の側近であるリーブス家の長男でルークの幼馴染のカイ・リーブスだ。



「...振られたって、アリア・スタレットに?」

「そうだよ!


「あんなに上手くいってたのに?」

「だから振られたって言ってんだよ!」


「何で振られたんだよ?」

「お前...ほんとデリカシーねぇよな。」


「...やっぱり本当にアリアのことが好きになったみたいだな。」

「は!?」


「だって好きじゃなきゃそんなに落ち込まないだろ。」

「いや!す、好きじゃねぇし!」


「はぁ。ここまで1年近くかかったのに、任務達成するのが余計難しくなっちゃったな...」

「ヤベェよ...親父に叱られる...」


「てか、どんなふうに告白したんだ?」

「えーと

         月が綺麗ですね。

                     って。」


「..................................................................................................................................................................は?

                   あなた、バカなんですか?」


「な、何がおかしいいんだよ?」

「わかるわけないでしょ...そんなの。で、一応返答はどうだったんだ?」


「何を言ってるのかわからない。って。」

「当たり前だ...」


「月が綺麗ですね。じゃダメなのか?」

「ダメだろ...」


「じゃあ何て言うんだよ。」

「好きです。付き合ってください。とか?」


「キャーーーー!!!!そんなこと...言えないっ!!!」

「恋する乙女か。––––まぁとにかく、今日の事は振られたうちにはいらないから。」


「そ、そうなのか?」

「まずはしっかり告白しないと。」


「...わかった。」

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