第4話 同級生だけど・・・

ある日の休日。



「あれ? 留唯いる…これは…ハイヒール…」



私は、留唯の部屋に向かう。



「留唯っ!い……る…きゃあっ!ごめんなさいっ!」




私の目の前に飛び込んだ光景は男女の裸姿。


私は慌ててドアを閉めた。




「………………」



「待って…今のって…留唯…?」



≪アイツの彼女?≫




私は余りの衝撃的な事実を目の当たりにし驚きを隠せなかった。



自分の部屋に行き目に焼き付いている私は、布団を被る。


だけど、頭から離れない。




「………………」





数時間後 ――――




「なあ」



ビクッ



「………………」



バサッ

布団がはぎとられたかと思ったら私に股がり押えつけた。



ドキーーッ



「きゃあっ!な、な、何?」


「お前ってさ、まだ女の子?初(ファースト)キスは?」


「そ、そんなの、あ、あんたには関係ないじゃん!つーか、聞いてどうすんの!?」


「別に」


「つーか、重いからおりてっ!」

「嫌だっつったら?」

「な、何言って…」

「つーかさ、重いって言われても、これ普通に耐えれなかったら別のやり方?」

「えっ?な、何が!?」


「またまた~分かってるくせに」

「分からないから!」




私から降りたかと思ったら、横向きにすると抱きしめるようにすると、私の胸に両手が触れる。



≪て、手が…る、留唯の手が…私の胸に当たってるぅぅぅっ!≫



「この方が良い感じ?と・も・か」



耳元で囁くようにされ、耳から首すじ、うなじと唇を這わす。


ゾクゾクっとする中、

私は吐息混じりに声が洩れてしまう。


かあぁぁぁ~とつまさきから頭のテッペン迄体中を駆け巡るようになる。


慣れない事に、自分が恥ずかしくなる。



「る、留唯…や、辞め…」




グイッと再び振り向かせ私に股がり押えつける。



ドキッ




「案外、敏感で純なんだな智華って。弄り甲斐ありそう」

「な、何言って…ふざけんのも…」



おでこにキスされた。


ドキッ



「…唇が良かった?」

「あ、あのねー…いい加減に…」




私から降り、離れる留唯。




「俺、智華の全てもらっちゃおうかなぁ~?」

「えっ?」

「だけど、傷付けそうだから、お前の事マジになって相思相愛になるには難しいかもな」

「留唯?」

「後悔しない奴に捧げな!天月 智華さん」



そう言うと私の部屋を出て行った。




「………………」





ある日の事。


♪~


『ねえ、RUIは、どんな女の子がタイプなの?』




♪~


『明るくて元気な子かな?』



♪~


『顔重視?性格重視?』



♪~


『人、それぞれだしなぁ~。顔見て、性格知って…だけど付き合ってみないと分からない事とかあるわけだし』




♪~


『そうか。そうだよね』





ある日の事。



「俺と付き合って下さい!」

「えっ?」



他高生からの突然の告白。



「ゆっくりで良いから付き合って下さい!」




私は付き合ってみるこにした。

1ヶ月付き合い彼、塙山 耕樹(かたやま こうき)君と正式に付き合う事にした。


普通にデートして出掛けたりしている中、私はメールの RUI とは続いていた。



だけど ――――





それから1ヶ月過ぎたある日、彼の家に行った時の事だった。



ドサッ



彼・耕樹は私を倒し洋服を脱がしていく。



ドキン



「ま、待って…」

「何?俺達付き合ってんだぜ?」

「わ、分かってる。分かってるよ。覚悟はしてるけど…は、初めてだから…」

「初めてだから何?」

「心の準備が…」

「最初だけだって!優しくするから」



「………………」




分かってた。


家に行く事は覚悟が必要だって事。


関係もつのも勇気がいる事だって……


だけど、本当に怖くて仕方がなかった。




そんな中、彼は進めていく。



「それより、ちょっと気になるんだけど、RUI って誰? 」


「えっ!?」


「メールの相手。もしくは同居人?」



≪ちょっと待って…どういう事?≫

≪何で知って…≫




「初めてとか言ってさ、"るい"って男とヤってんだろ?」


「ち、違っ…!私は…」

「違うって?」

「そうだよ!」


「信じられる訳ないっしょ?頻繁にメールしてるしさ、それに同居人の留唯って手が早いって話だし、セフレがいるって話しもある。智華もその一人なんだろ?」


「私は違う!」

「じゃあ証明してよ」

「証明?」

「そう」

「そんなの…」


「まあいいや。ヤっちゃえば良いか?俺が相手してなくても今後、"るい"って男とセフレにでもなるんだろうし。後で友達の相手してやってよ。もう少ししたら来る…」



ドカッ

私は股間を蹴った。



「…っ!テメー…」

「人の携帯見るとか最低っ!友達の相手しろ!って…?こっちからお断りだよ!別れる!」



私は飛び出した。



涙が止まらないままトボトボ帰る中、空からは雨が降りだす。




留唯が後悔しない奴に捧げなって言われた事が分かった気がした。


だけど、RUI は違う。


私も悪かったかもしれない。


でも…人の携帯見る彼も彼だ。



「………………」



「本気で耕樹の事…好きだったのに……」





本気で恋して


イイ奴程


違う一面知って


一気に冷める




家に帰りつく。



「おかえり。どうしたんだ?お葬式から帰った後みてーに。すぐタオル持って来るから待ってろ!」



「……………」



脱衣場からバスタオルを持って来るとワシャワシャと拭く留唯。



私はいつの間にか乾いていた涙が再び溢れる。



「………」


「智華?」

「…彼氏と…別れちゃった…」

「えっ?」

「本気で好きだったのに…関係持つ前に…私の携帯勝手に見てる事知って…」

「えっ!?それ人間として最低行為じゃん!」

「でも…留唯の事も言われた」


「俺?」


「初めてって言っても信じてもらえなくてセフレの相手したんだろう?って…友達の相手してやってよって……」


「…何だよそれ…俺の事はまだしも智華をそういう風に…取り合えずシャワー浴びて来な」

「…うん…」



私はシャワーを浴びて自分の部屋に行くと、メール相手の RUIにメールをする。




♪~

『RUI…何してる?』


♪~

『どうかした?』




♪~

『彼氏と別れた…』


♪~

『そうなんだ。喧嘩別れ?』




♪~

『似たような事だけど携帯勝手に見られて。まあ、私も悪かったんだけど…』


♪~

『人の携帯見るなんてろくな男じゃないよ』




私達は少しの間メールをしていた。





メールを辞め、少しして ――――



「智華、入るぞ!」

「うん…」

「悪かったな」

「えっ?」

「俺のせいで嫌な思いさせて」

「留唯?どうして留唯が謝るの?留唯は悪くない…」



「事実だから」

「えっ?」

「俺、女好きだし正直連れ込んでHしてるのは事実なんだよ」


「…そっか…そこに愛はあるの?」


「聞く迄もねぇだろ?全然ないから!」

「…ないんだ…」

「ただでヤらせてくれるだから、それに答えてるだけだけど?」


「最低ーーっ!」


「男も女も利用したり、されたりで愛がなくても女は体を預ける。相手が好きなら尚更だろ?俺は本気で恋する気ねぇし」


「何それ!励ましに来たんじゃないわけ?」

「励ます理由はねぇな!良かったなぁ~後悔しない相手にならなくて」

「イメージ悪くしてるのはあんたじゃん!」

「あーだろうなっ!」



「………………」



≪本当…ついてない…≫

≪私…この先恋愛出来るのかな?≫

≪今のままじゃ…≫



私は泣きそうになった。




グイッと抱きしめられた。



≪…えっ…?≫



「…お前の人生まで巻き込んで悪かったな」




ズルイ!


優しくしないで欲しい……


彼氏にフラれてブルーなのに……


流されそうだ……


それともその方が良いのかな?






抱きしめらた体を離す留唯。




「雰囲気に流されんなよ!」

「えっ?」

「お前、今、傷付いてんのに大体予想はつくだろう?」


「…留唯…」

「俺に求めんな!つーか、俺、お前とは無理だから」



「色気ないから?」


「それ問題発言!色気あるとかないとかじゃなくて、俺はお前を傷付けたくねぇんだよ!お前と関係持つならお互いの想いが1つになった時じゃなきゃ俺はお前を傷付ける」


「…留唯…」



両頬を優しく包み込むように触れる留唯。



ドキン



「後悔して欲しくないから」

「留…」



キスされた。



「……!!!」



≪なっ!キスされたぁっ!つーか上手すぎでしょ?≫

≪どんだけの女子を虜にしてんのコイツ!≫

≪悪魔だ!小悪魔だ!≫

≪油断も隙もあったものじゃないっ!≫



「……………」



「ちょ、ちょっとっ!る、留唯ぃっ!」




気付けば留唯は、私の部屋の出入り口にいて、廊下から顔をひょこりと出している姿。


ムカつく!と、思う中、私にイタズラっぽい笑顔を見せていた。


マジ子憎たらしい!



「雰囲気に流されたお前が悪いんだよ。バーカ!何、女の顔になってんだよ」


「女だからに決まってんでしょ!?本当ムカつく!」


「そうカッカすんなって!智・華。元気出しな!」


「元気出す所か腹立つんですけど!」




クスクス笑う留唯。



再び私の部屋に入り、ドアに寄りかかる。



「智華、真面目な話なんだけど、お前に今後も好きな人出来たり、彼氏出来たりしたら言って欲しい」


「えっ?」


「お前の人生を俺のせいでメチャクチャになって欲しくねぇから」


「留唯…」


「俺はどう言われても良いけど、智華は俺と同居してるだけで変な噂されてんならさ俺、智華に俺の人生預けるつもりでやり直すから。そん時は一緒に歩んでくんねーかな?」




歩み寄ると頭をポンとする留唯。



ドキン



「すぐには無理だけど……理解した上で良いから」



私は頷く。



留唯は抱き寄せ



「マジ、今回はごめんな」



そう言うと留唯は私の部屋を後に出て行った。

























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