第10話勉強会
日曜日、9時15分。沢木川家にお邪魔していた。
用意されていたスリッパを履き、名波先輩が部屋に案内してくれる。
「早かったね、美歌音君。これで勉強がはかどるといいけど」
「そわそわして、早くきてしまって。迷惑かなとは思ったんですけど」
部屋には誰もいないと思っていたが女子が脚を崩して寛いでいた。
「なんで、宮戸先輩がここに?」
「その声は莉緒君。名波ちゃんの家に何しにきたの?」
名波先輩がクスクスと笑い出す。
「ちょっとしたサプライズってところ。二人とも手がかかるんだから」
「手がかかるって、私そんなことないよ」
「......」
「冗談だよ。怒らないでよ、宮戸さん。美歌音君、突っ立ってないで座って」
宮戸先輩は遊びにきていた。面白くなりそうと思った名波先輩が仕組んだことだった。
俺は、宮戸先輩の顔が見れず俯いたまま黙っていた。知られたくなかったのに、宮戸先輩には。
俺は、名波先輩に数学を教えてもらっている間、宮戸先輩は名波先輩のベッドに寝転び少女マンガを読んでいた。
「よそ見しないっ!美歌音君、わかってるの!」
いつもとは違う怖い名波先輩に一通り教えてもらい、理解はできた。
昼過ぎまで続き、一時間の休憩で昼食を摂り、交代しながらテレビゲームで対戦した。
休憩を終え、勉強を30分してお菓子を食べていると名波先輩のお母さんが部屋に入ってきて、挨拶を交わし戻っていった。
俺は、沢木川家を4時に出て、本屋でマンガを買って帰る。
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