瑠璃くんはお兄ちゃん
サージさんは何か考えてるのか黙り込んでいるので、オレは瑠璃くんにこれからどうしたいのか聞こうとした。
「あの、瑠璃くんこれか、」
「あう~?うっ!」
“グイグイ”
「あ!ダメですよ魔王様、瑠璃くんの布を引っ張ったら」
「う~?ちゃっ!」
“グイッ、、、バサッ”
「あ!瑠璃くん、ごめ、、ん、、、」
「、、、、。」
「「あ!え?」」
魔王様が瑠璃くんのフードを引っ張り、瑠璃くんからフードが剥がれる。
オレは瑠璃くんに謝ろうとして瑠璃くんを見て固まってしまった。
ちなみに、無言なのがサージさんで驚いて困惑したのがセーラさんとメーヤさんだ。
「、、、綺麗、、、ハッ!見惚れてる場合じゃねぇ!ごめん、瑠璃くん!」
「え?フードなら赤ちゃんのしたことだし怒ってないよ?」
「いや、それも謝ってるんだけど!今はそれじゃない!」
「え?連夜が僕に謝る要素が何かあった?」
「いや、その、勘違いしてたみたいで!その、瑠璃くんなんて呼んじゃって、その、ごめん!」
「?」
瑠璃くんはアルビノって言ってた通り真っ白だった。
髪は真っ白で白髪というよりは白銀と言ってもいほど艶やかで、目は白兎みたいに真っ赤だったけどうっすら紫色にも見えた。
肌も透けるような真っ白な肌をしていた。
そして顔立ちは蕩けるような大きなタレ目が特徴的なとても優しそうな美人さんだった。
オレはそんな瑠璃くんに見惚れていたが、瑠璃くんを見たからこそ謝らないといけない事があったのだが、謝っても瑠璃くんは何でオレが謝ってるのか分かっていなかった。
「だって、瑠璃くんが、その、お、女の子だとは思ってなくて!男だと思ってくん付けで呼んじゃったから」
「ああ、そんなことか。別に連夜が謝る事じゃないよ。僕の喋り方や性格は男みたいだからね。弟にも『友達には男だと思われてるようだから兄として紹介するけど女だって言わないでね?お願いだから女だってバレないようにしてね?』って言われてたから男だと勘違いしても可笑しくないよ」
「弟がいるんだ、、、弟さんはアレ (シスコン)なんだろうな」
「アレ?」
「いや、なんでもないよ、、、瑠璃、、さん?」
「くん付けで良いよ。僕も女扱いされるのはなれてないから、さっきまでと同じように接して欲しいかな?」
「えっと、、分かったよ、、、瑠璃くん」
本人からの願いなので瑠璃くんにはさっきまでと同じように接しようと思う。
(それにしても、オレは何で気づかなかったんだ?オレより背が低いとか、男としては声が高いとか思ってたのに全然気づかなかった!)
「あと、フードを返して欲しいかな?少し明るくて目が痛くなってきたから」
「あ!魔王様!瑠璃くんにフードを返しましょうね?ほら、瑠璃くんにどーぞしましょう?」
「あう、あい!るー、ろーよぉ」
「はい、ありがと魔王」
「あい!きゃっきゃ」
「るー!うーも!うーもぉ!」
「はいはい、勇者は静かにしていてイイコイイコ」
「ふにゅぅ、ふきゅ、きゃっきゃ」
魔王様が瑠璃くんにフードを返すときに瑠璃くんに撫でられたのを羨ましがって勇者様も瑠璃くんにねだると、瑠璃くんは勇者様の頭も優しく撫でた。
(瑠璃くんは女の子だけど何ていうか行動や言動が)
「お兄ちゃんみたいだよな」
「ん?僕の事?」
「あ、ごめん!女の子だと分かってるんだけど、何ていうか、その、行動とか言動がお兄ちゃんみたいだなって」
「何でかよく言われるよ。弟の友達にも、兄貴みたいな奴じゃなくて僕みたいなお兄ちゃんって感じの人が欲しかったとか」
「ああ、なんか分かる気がする。瑠璃くんは兄貴とか兄さんとかじゃなくお兄ちゃんみたいな感じなんだよなぁ。何ていうのか言葉に出来ないけど、、、年下に優しくて暖かい感じとか?」
「そうなんだ?僕にはよく分からないけど」
瑠璃くんは何ていうかオーラからお兄ちゃんみたいとしか言えないくらいお兄ちゃんみたいだ。
(あ!それより、これからどうすんのか聞かねぇと!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます