魔王様は不機嫌 (セーラ視点)
オレは少し前に魔王様付き執事というなのレーヤ様専用の補佐になった戦士見習いだったセーラだ。
最初にその事 (魔王様付き執事になること)を伝えられた時は突然の事に驚いたが今はそんなことはどうでもいい。
実は少し前から魔王様の機嫌が悪い。
レーヤ様と居る時はいつも通りなのだが、レーヤ様が少し魔王様の側を離れるといつもより機嫌が悪いのだ。
基本的に魔王様はレーヤ様が側に居られない時は機嫌が悪いのだが、今回はいつもより数段に機嫌が悪いのだ。
いつもはレーヤ様が魔王様の側に戻れば一瞬で機嫌が良くなり嬉しそうになされるのだが、今回はレーヤ様が側に戻っても少しグズるくらい機嫌が良くないのだ。
「魔王様、戻りましたよ?どうしました?」
「う~、ぶうっ、ヴ~!」
「、、、すみません、もっと側に居れぱ良かったですね。今日はもう魔王様の側を離れないので機嫌を直してくれますか?」
「う~、レーヤ、まーちゃの!」
「はい、オレは魔王様のものですよ」
「まーちゃの!レーヤ、まーちゃの!」
「はい。オレは魔王様のものなので今日は離れませんよ?」
「う~、レーヤ~、うっ!うっ!」
「はい、ぎゅうっですね?」
「あい!」
こんな風にレーヤ様があやして魔王様を抱きしめないと機嫌が直らないのだ。
(やはり勇者の気配を感じ取って不機嫌なのだろうか?)
この事はオレと同じタイミングでオレの同僚になったメーヤと話し合ってサージ様に相談する事にした。
サージ様が姿をお見せになったのでさっそくメーヤと一緒にサージ様に声をかけ魔王様がここのところ不機嫌な事を相談した。
「それとこれはオレ個人の会見なのですが、魔王様は不機嫌というよりなんというか、、、レーヤ様が側に居ないということが嫌というか」
「私もセーラと同じ様に感じます。魔王様は不機嫌というよりはレーヤ様が自分の側に居ない事を今まで以上に嫌がるような感じですね」
「レーヤが居ないと、、か?、、、魔王様は勇者の気配を感じ取っているのは間違いないが、、、それが何故、レーヤが側に居ないと機嫌が悪くなるんだ?、、、魔王様の世話係りのレーヤが魔王様の側を離れる事はそうそうないと思うが、、、勇者の気配を感じ取ってからそれが始まったのは確かだろうから勇者がこちらに近づいているのに関係あるのだろうが、、、」
その後も色々考えたが分からなかった。
多分、勇者が近づいて来ているのが関係しているのだろうという事以外は経過を見ながら考える事になった。
(勇者は魔王様と対だ。だけど今こちらに来ている勇者は時期的に召喚された勇者だろうから、、、ん~?本当に分からないな?魔王様と対ではない勇者がこちらに来ているのと魔王様の不機嫌な理由は何だ?対の方ならまだ勇者の方も機嫌が悪いのだろうと分かるんだが)
勇者到着まであと、、、4日
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