第19話 にゅう部
プール掃除以来、
その代わりなのか、川瀬からしつこくメッセージが届く。
-三次元の女はどうででござった?
-逆レイプされた感想は?
-返事がない……もしやまだプレイ中!?
などなど勝手に妄想を膨らませて興奮している様子が文字から伝わってきた。
僕が主役のエロ妄想を休日の間ずっとされても困るのでとりあえず一言、掃除だけしたと送っておいた。
実際には
川瀬は女子の前だと灰になるから
そして週明け月曜日。僕の入部についてもあっさり解決してしまった。
「
「ま、まあ。そうなりますかね」
ボランティア部の部室に入ると
だけど今の僕にとって静かなる怒りを燃やす
「念のため確認だけど、この男はちゃんと掃除してたのかい?」
「はい。それはもう
「ん? 密着?」
背の低い
「はい。ちょうど今のわたし達みたいに
「そ、それってつまり
「ふふ。それはどうなんでしょう。本人に聞いてみてください」
意外にも簡単にボランティア部への入部を認められるかと思いきや、まさか
気が変わって一緒に部活をするのが嫌になってしまったのだろうか。僕はそれだけの事をしでかしてしまったんだ。
一時の快楽に身を任せて大事なものを見失った過去の自分を殴ってやりたい。
「ボクは
「部長さんと
「当たり前だ! 同性で子孫を残そうとする変態と仲良くしたらナニをされるかわかったもんじゃない」
「同性と子孫」
水泳部の立ち位置を見るに部長以上の存在であることを感じてはいた。まさかそこまでディープに女子だけの空間を求めていたなんて。足を舐めていなければ絶対に追い返されていただろうな。
「あの変態はボクを脅迫してきたんだ。キミを入部させて定期的に水泳部の手伝いに来させるか、ボクの体を差し出せと。なんで手伝いを依頼してきた方がボクをゆするんだよ。本当にイヤなやつだ」
「部長さんからしたら何のメリットもないですね……」
思わず同情の言葉が漏れた。陽キャの押しの強さは異常だ。一方的に条件を押し付けて去っていく。部長さんは男子の前で石化するくらい耐性がない反面、女子に対しては
そんな部長さんが不利な交渉を持ち掛けられるなんて
「アイツにボクの体を差し出せば今まで守ってきたものを全て失ってしまう。それならば不本意ながらキミの入部を認めるしかない」
再び
「今やキミは男子禁制となった水泳部に出入りできる唯一の男子だ。おっぱいがいっぱいの
「部長さんに言われてそういう想像しちゃいましたよ」
「ふっ……所詮、男子はみんなケダモノなんだ。
「大丈夫です。
もはやどちらが部長なのかわからないくらい
「誠意って……まさか」
「わたしの口からは恥ずかして言えないよ。でも、土下座でお願いされたら……」
部長さんは僕と
「そ、そうだそうだ。せいいをみせろー」
事情を把握しきれていない部長さんが
そんな部長さんの可愛らしい一面も
「わかった。誠意を見せるよ」
ここ数週間で何度目かになる感触。ひんやりとした床が心地良い。
両手をしっかりと床に着き、
「足を舐めさせてください!」
勢いよく
「足……今、足を舐めるって」
部長さんのあわてふためく声が耳に入る。本来なら忠誠を誓う行為でも、男嫌いの部長さんからすれば拷問みたいなものだ。そんな反応になるのも無理はない。
一旦部長さんのことは置いておいて、とにかく今は
ギュッと目をつむり、祈るように頭を下げ続ける。
聴覚が研ぎ澄まされたのか小さい音もよく感じ取れるようになった。カタッと、まるで靴が床に落ちたような音と、制服がこすれるような音が聞こえる。
その音に合わせるように部長さんが慌てていた。
「ちゃんと……舐めてね」
その声に合わせて目を開けると、そこにはふかふかの生足があった。頬ずりしたら絶対に気持ち良さそうな柔らかさが見るだけで伝わってくる。可愛らしい足の指は小柄な
「まままままっ!」
部長さんはもはや言葉にできないほど混乱していて目に涙を浮かべていた。
「部長のことは気にしなくて平気だから。誠意を見せて」
「では……」
校則を守ったスカート丈とソックスによってあまり露わになることのない
「んっ……!」
傷付けないように優しくふくらはぎに触れ、すねを下から上に舐め上げる。すべすべの肌はとても舌触りが良く、いつまででも行為を続けられそうだ。
部長さんは目を見開いたまま石になっていた。もう誰も僕と
「もうわかったよ
「まだだ。僕は
僕は足の甲にキスをした。本当は
「ど、
「これが僕の誠意。ボランティア部の新入部員として
「うぅ……ヘタレのくせに」
「ここまでしも僕はヘタレなの!?」
「あんまり他の部でこういう誠意の見せ方したらダメだよ? 女の子はギャップに弱いんだから」
僕の質問には答えてもらえなかった。だけど、ギャップに弱い発言でなんとなく察した。僕みたいなヘタレ陰キャが土下座して足を舐めたら行動力にギャップを感じるらしい。
言動は完全に女の子の尻に敷かれるキモ陰キャなんだけどなあ。女心はやっぱり難しい。
「
「何を言ってるんですか。せっかくだから部長も
「いい! 見せなくていい! 誠意とか言ってギンギンに大きくなったアレを出さなくていい!」
「しませんよそんな事!」
部長さんは理論の飛躍がすごい。土下座した足を舐めさせてもらうような男がいきなりアレを出すわけないじゃないですか。
「とにかく
「ボクは絶対にキミに屈しないからな!
「部長が解決してくれるんじゃないですね」
「
「うん。頑張るよ」
こうして僕は無事(?)ボランティア部の部員となった。パソコン部の傍ら、たまに
この時の僕はそんな風に考えてた。だけど、すぐにその考えは
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