第13話

「ねぇ、姉さん」

「どうしたの」

「なんでこう日本の芸能界ってゴリ押し多いのかな」

「仕方ないわよ。大手事務所にはテレビ局は勝てないもの。ネットが主流でネットが流行の中心の今、テレビが流行を作ることが出来なくなってる分、ゴリ押しが目立つようになってるのかもしれないわね」

「あー、なんとなくわかる。姉さん前に言ってたけど北風と太陽ってこういうこと言うんだろうね。下手に押しすぎて僕達は逆に壁を作ってそれから遠ざかる」

「そういうことね。日本は元々強いものに従う武士の名残的なものがあるから、余計上下関係や上の圧力が強いのかもしれないわね。まあこれは芸能界に限ったことではないけれど」

「いい文化は残していきたいけど、こういう文化は消していきたいよね…」

「元々日本人は新しいものにチャレンジするのが苦手だもの。黒船が来た時も大層焦っていたものね。難しいと思うわ。私も変わることは怖いと思うもの」

「んー、分かるんだけどなぁ。結局それって上の思い通りな訳で僕たちの求めてるものとは全く違うんだよね…」

「世の中そういうものよ」

「そっか…困ったものだね」

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