炸裂する感情
春嵐
第1話
生きようとして、生きてきたわけではなかった。死にそうになると、その方向、死に向かって突っ込んでいく。気付くと、生きている。そんな日々が続いて、今がある。
仕事に不満はなかった。金はどうでもいいが、常に自分に死の危険を与えてくれる。
普通に死にたいのではなく、誰かの、何かの役に立って死にたいのだと、最近気付いた。なるべく、誰にも知られず。ひっそりと。何かのために死ぬ。そんな死にかたがいい。
「これを持っていけ」
渡された拳銃を、固辞した。
「護身用の物は必要ありません」
自分の身は、守れなくてもいい。
「持っているからといって警察に
「いえ。使わないので、必要ないというだけです」
どうしても必要なら、奪うだけだった。
「そうか」
仕事の依頼を受けるのは、基本的に彼女で。自分は、その依頼を受けて動くだけ。彼女の選別した依頼なら、まず間違いはなかった。
今回は、死ねるだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます