第十話

伏し目がちに呟きながら自分の事などお構いなしに俺へのフォローに奔走する。

終始、済まなそうな顔をして。


自身の経験から得た助言ばかりで優しい言葉もかけられない、ごめん。

これ以上なくやってくれてるじゃないか。

寧ろ謝るのはこちらの方なのに。


互いに振り返ることなく先だけを見て歩んできた。

敢えて語らずにきた過去も、このまま聞きもせず話しもせずに終わってしまうのだろうか。

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