第二話

酔っ払いの戯言で片付けられたか。

次の日も、次の週も何事もなく過ぎていく。

「この間先輩がさぁ~」

「先輩に土産貰った~」

「美味いそば屋を先輩に聞いたんだ~」

良く構ってくれる先輩の受け売り話で盛り上げるも、俺の心は空回るばかり。


『きみの普通と僕の普通は違う』

あの時の台詞がこだまする。

自身の当然が他者と同義とは限らない。


「お前、最近注意力が足りなさ過ぎ。

 情緒不安定な顔で出るのはお客様に失礼だから、今すぐ帰れ」

と職場で叱られる。


相談したい

━━━誰に。

どう説明する

━━━言えない。

話し合うか

━━━恐い。


どん詰まりだ。

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