葵斗

ボーイ「葵斗リスト。彩、彩リスト。」

店内にマイクが響きブースで指名を貰った事を知らされ、葵斗と彩が戻って来た。


葵「ただいま。ありがとう!!」

マナ「いーえ!!」

葵「実は自信あったのに、空さんと悩まれた時は焦ってた。笑」

そうテンション高めに葵斗がいう。

すぐにゆかりの指名の彩も来てくれた。


彩「うえーーーい!!ありがとう!!」

彩は飲むと人が変わるみたいに、びっくりするぐらい飲みキャラだった。


ゆ「覚えとってくれたし、一緒飲もう!!」

ゆかりも楽しそうで私も嬉しかった。


葵「マナちゃんって映画とか観る??」

マ「観るよ!!早く鬼滅観たい!」

葵「え?じゃ一緒に行こうよ!!」

早速店外(お店の休みに遊ぶ)への誘いに戸惑ったが、正直なくなるだろうと思いながらいいよと返事をした。


ボーイ「ラストオーダー何かありますか??」

※閉店1時間前後でホストクラブは、ラストオーダーを聞くここでその日の1番が決める。


マ「大丈夫です。」

特に煽られる事もなく終わり、その日の売上が一番だったプレイヤー(ホスト)がステージでラスソン(ラストソング)を歌う。


曲を聞きながら好きなアニメや、キャラの話しを葵斗としてライン交換をした。


葵「絶対に行こうね!!映画!!」

マ「うん!!楽しみにしてる。ちなみにいつにする??」

葵「来週の水曜っていける??」

マ「大丈夫だよ!!」

思った以上に早く日にちが決まって、定休日を提案されてちょっとびっくりしたが…ホストとの約束なんて当日にならないも分からない。疑いつつも閉店の時間になる。


葵「鞄持つよ!!」

マ「ありがとう。」

彩「鞄俺持つわーーー!!」

ゆ「いらなーい。」

ゆかりは塩対応をしてる訳ではないが、素直さや甘えるってのが全然分かってないみたいでいつもこんな感じだ。損してるって伝えてもなかなか治らないらしい。


葵斗と私が先に外に出て、エレベーターに向かう。

葵「マナちゃんこっち来て…」

マ「え?」

葵斗がエレベーターの影に私を追いやる。


チュッ

マ「え?」

葵「可愛い…もっかい。」

マ「え?ちょ!待っ…」

そんな事も聞かず葵斗は口を塞いでくる。

挙句の果てに舌まで入れてくる。


マ「や、だい…やだ…うぅ」

葵斗はお構い無しだ…やっと彩とゆかりの声がして葵斗はキスを止めた。

葵「可愛い。」

かなり酔ってる葵斗…私は暑くて真っ赤になってた。ホストでエレベーター前でキスなんて小説とかホスラブ(掲示板)だけの世界と勝手に思っていたからだ。


エレベーターで1階まで4人でおりる。


次は彩とゆかりを先に行かせる葵斗。


葵「もっかい。」チュッ

葵「口開けて??」

マ「いやー」首を横にブンブン振った。

葵斗は強引にこじ開けて欲を解放するようにキスする。私はヘナヘナになり力が抜けてしまった。


ゆかり「まーちゃん?!え?あーーー」

少し見られたのかも。慌てる事もなく葵斗が鞄を私の肩にかける。私も何もない振りをする。

彩「今日はホントありがとう。」

マ「彩顔白すぎん??笑」

ゆ「2人紅白やん!!!笑」

本当にその通りで彩は顔が白すぎて、葵斗は真っ赤だった。

2人に見送られながら、お店を後にする。


まだドキドキが止まらない。

もうこの時から始まっていたのかもしれない。

葵斗の営業は友営ではなく、イチャ営なのかと少しショックを受けながら、ゆかりと楽しかったねーっと話した。


マ【今日は楽しかったありがとう!】

葵【こちらこそ送り指名ありがとう。】

何もなかったように葵斗からのライン。

少し怖くも感じた。


マ【めっちゃ酔ってたね!!】

触れなれないから、触れないことにした。


葵【顔赤いけど、まだ大丈夫!!酔っ払ってはないよ。】

そんなLINEが来つつ、いつものキャッチさんと合流して次の店に向かった。

マ【そっか!ならよかった!!】

葵【絶対映画行こうね!】

マ【うん!楽しみにしてるね。】


その日はゆかりと彩と葵斗の話しが絶えず、

始発で帰った!!



つづく

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