半透明

晴世

第1話 朝

けだるい朝、横にいるカノジョを起こさないようにそっと携帯を手に取る。


「マッチ成立」

「相手があなたの事を気になっています」

「花菜からメッセージが届いています」

画面に映し出される見ず知らずの不特定多数とのオンナからのメッセージ

それに対しての曖昧なその場だけの返事


僕の朝はこの何も生まない時間から始まる。


いつからだろう、人の愛や恋や想いを蔑ろにし始めたのは

いつからだろう、自分に嘘をつき始めたのは。


思い耽け、惰性から始まる朝。


「おはよう、君今日は早いね。」

横にいた彼女が目を醒ましてそういう

「おはよう、君も早いね今日は遅番じゃないの?」

ほぼ毎日がこの会話からスタート1日を繰り返す。

この後は決まってこうなる、

僕とカノジョは二度寝をしてしまい

2人で飛び起きて仕事に出かける、いつものことだ。

2人の朝はバタバタで始まる。

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