第2話昼

「はじまして、美咲っていいます!よろしくお願いします」


「こんにちは、ハルです。こちらこそよろしくお願いします」


「ハルさん、東應なんですね!お仕事は何されてるんですか??」


「外資系の営業マンですよ^^」


「わー、すごい!お休みの日って何されてるんですかー?」


ここまでのやり取りが基本的なテンプレートだ。

このメールを僕はバイクの上でする。

なぜなら東應も外資系も嘘だからだ。

平均的な大学を出て、上場企業こそ入ったもののサラリーマン勤めに疲れて辞め今はただのデリバリーのアルバイト

顔こそ中性的で若手イケメン俳優似ではあるが、経歴などは1つも合ってない。


エリートサラリーマンとは真逆の

自堕落なただの遊び人でしかない。カノジョの家に住み着き多少の生活費を払い

後はセックスや飲みや服だけにお金を使う。

所謂、ただのクズそのものだ。


だがしかし、アプリ上での僕は

彼女なし、エリートサラリーマン


この虚像をオンナ達は好み、取り合う。


しかし僕にはその事を悪いと感情がどこにもなかった、むしろ相手してやってるという感覚が強い。


これが僕であり、アプリ上のハルである。

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