学園で幻の妖精と言われてる美少女を道で拾った〜なんでそこで寝てるんだよ…〜

青の空

第1話 学園の妖精さん道端で拾った。

俺が通う学校、聖王高校せいおうこうこうにはある噂がある。それは…妖精が居るという噂だ。

実際に妖精がいる訳では無い。

けど、妖精と呼びたくなるほどの美少女が居るのだ。

その妖精を見たもの曰く、肌は透けとおる程白く、髪は腰まである白銀で光に反射してキラキラと輝き、見るものを魅了してしまう。

そして、顔立ちは幼いながらもハッキリしておりぱっちりお目目で見る人を安心させるように少しタレ目。

そして、少し目線を下げるとぷるんと艶がありとても柔らかそうなピンク色の唇。

そして、そんな彼女の声は鈴を転がしたような凛とした声がする。

そんな彼女はまるで神が直接作ったのでは無いかというぐらい完成された存在だ。

何故、俺がこんな事を言ってるのかと言うと…


「…とても、眠いんです。神原さん助けてください…」


俺がいつも使ってる帰り道で彼女が落ちていたのだ。いや…違うな。眠すぎて道端で寝そうになっていたのだ。


だが、俺の心情をいえば…


「なんで…妖精が落ちてるの?」


〜時は戻る事1時間前…〜


「はい!じゃあ、HR終わり!明日から2連休だからってハメを外しすぎるなよー。先生は外すけどな!」


こんな事を言っているのは俺の担任で畠山尚はたけやま なお先生だ。

普段からちゃらんぽらんだが皆からは結構好かれている。先生らしくないとか、話しやすいとか。最早皆からは「尚ちゃん」と呼ばれている始末だ。それでいいのか先生よ。


「おーい、愁。帰ろうぜ〜」


「あー、わり。今日は用事あるからパスだわ」


「あー…今日は病院か。大丈夫なのか?」


「あぁ。まぁ、なんとかな…」


「なんかあればすぐ言えよ?すぐ駆けつけてやるからさ!」


そう言い肩を叩いてくるのは俺の幼なじみの柊誠ひいらぎ まことだ。幼稚園からの付き合いで最早腐れ縁である。

そして、俺は神原愁かんばら しゅう、高校2年生だ。


「んじゃ、また月曜日なー」


そう言い柊は帰って行った。


そして、俺も帰る準備をしていると俺の席の近くで話していた男子達の声が聞こえてきた。

(なぁなぁ、俺今日妖精見たんだよ!)

(は!?マジで!どこで見たんだよ?)

(朝昇降口近くの階段を登ってる所を見たんだよ!)

(いいなー、やっぱり可愛いのか?)

(あぁ…あれは人間じゃねぇ…天使か妖精だった)

(人間卒業レベルか…俺もお目にかかりたいぜ…)


そう。この学校には七不思議みたいのがある。基本は花子さんだとかベートーヴェンの目が動くとかピアノの音が聞こえるとかなのだが、曰くこの学校には妖精がいる。と囁かれている。


「…妖精ねぇ。皆もこういう話好きだよな〜」


そう独りごちりながらも俺は教室を出ていった。

そして、お見舞いに必要な物やお土産などを買い、一旦家に帰ろうと思って歩いていると道の端に何かが蹲っているのを発見した。


「なんだあれ?人…か?ってかうちの高校の制服だと?」


流石に自分の高校の生徒が道端で蹲っているのは見過ごせ無いため俺は声をかけた。


「あの…大丈夫ですか?」


声をかけられたのに気づいたのかその子は俺の方を向いた。そして、その瞬間俺は頭が真っ白になった…


「…あの?貴方は?」


な、なんだこの子…妖精みたいだ。

ん?妖精?…嘘だろ?まさかこの子が妖精か!?


「……あの?」


はっ!いけないいけない。軽く意識が飛んでいた。


「あぁ。すまない。うちの高校の生徒が道端で蹲っていたから心配で声をかけたんだ。決してナンパとかじゃないから安心して」


そういうと妖精さんは俺の事をじっと見てきて聞いてきた。


「貴方の名前は…?」


「あぁ、神原愁かんばらしゅうだ。高校2年生」


そう言うと妖精さんはひとつ頷きびっくり発言をしてきた。


「…とても、眠いんです。神原さん助けてください…」


そう言い残し彼女は眠りに着いた。

おい待て。なぜ寝る?俺と妖精さんは初対面だぞ?いいのか?貞操観念どうなってるんだ?とか色々言いたいが…これだけは言おう。


「なんで…妖精が落ちてるの?」

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