鏡の誓い
水涸 木犀
序
少年は、田んぼの
——この虫、珍しいやつだよね?!——
地面の虫を見つけるのに夢中だった少年は、目の前の危機に気付くのが、遅れた。
「危ない!」
「どこかケガしてない?」
さきほどと同じ声が、すぐ脇から聞こえる。白い服、黒い髪の女性が、右手を前にかざす形で立っていた。少年が無言で頷くと、彼女はそちらに顔は向けずに、困ったように笑った。
「やっぱり、とっさに出るのはこれになっちゃうな……修行が足りない」
先ほどはすぐ触れられそうな距離にいた水牛が見えなくなってから、少年は初めて、目の前にあるモノに気付いた。
複雑な模様が描かれた、金色の円形の物体。
——破片が飛び散る……!——
そう思い手で顔を
「早いうちに、ここを離れた方がいいよ。あと、このことは
少年が恐る恐る顔を上げた時、そこには謎の物体も、自分を助けてくれた不思議な女性もいなくなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます