私はどうやら天界からきた天使らしいよ! 人生ログアウトしようとしたけど永峰くんと下界でも生きていくことになりました。
東雲三日月
第1話 琴音の家にログアウトボタンが届きました
──人生からログアウトしたい。
──SNSに書き込みをした。
私の人生は反省ばかりである。それなのにまた繰り返してしまうのは何故だろうか!? と自分自身に問うも、わざとしている訳では無いのである意味回避の仕方が分からない。
昨夜は寝るのが遅かった。ベッドから目覚めるともう昼下がりの午後である。大分遅い時間に目覚めてしまったけれど、この日は休日なので心配する必要は何も無い。手にした携帯電話を眺めていると、書き込みをした直後すぐに返事が来た。
──ログアウトすることが出来るボタンを持っています。宜しければ貴方様に差し上げましょうか? 但し、再ログインすることはかなり大変なので出来ないと思って下さいね。
本当にそんなボタンが存在するのだろうか!? そんなボタんがあるとするならば心の底から欲しいと思ってしまったが、これが冗談であることくらい高校生の私は良く分かっている。
世の中くだらない嘘を平気で言ってくる人がいるもんだなと思いながら、その返事をスルーしていると、またすぐに返事が来た。
──今、嘘だって思っているんでしょ!? そんなボタンがこの世に存在する訳がないって決めつけていますよね? 貴方様の考えてることくらい分かります。
いきなり上から目線で物事を言ってきたのでイラッとしてしまった。一体何様なんだろうか? 不覚にも嘘だと思ってしまったことは確かであり勝手に決めつけたのかもしれないが、未だ此方からは何も返事を返していない。
それなのに考えてることが分かると書かれていることに、少しばかり恐怖を感じる。
──それならば、本当に存在する証拠として画像見せて下さい。そうしたらボタンがあることを信じますので。
どうせそんな物が存在する訳がない! そう思い無理難題を押し付けたのだけど、すぐに画像付きの返事が来たのだ。
画像はボタンが手のひらに乗せてあるものだった。手のひらサイズの赤いボタンの上に、マジックでログアウトと書かれている。
思わず画像を見た瞬間、これは絶対玩具何じゃ無いだろうか!? と目を疑ってしまった。
プラスチック製のボタンであるということが画像から分かるものの、信じると発言してしまっただけに、引き返すことはもう出来ない。
そんなことを思っていると、またすぐに返事が来た。
──今画像を見て玩具何じゃ無いだろうかと思いましたね? 信じるか信じないかはあなた次第。画像を見ても信じることが出来ないのであれば此ボタンは別の人に差し上げることに致しますが、いかがなさいますか?
──本当に画像を送ってきてくれると思っていなかったので、只只そのボタンが存在することに驚愕しています。信じるか信じないかはあなた次第なんですね! なら信じます。 なので私にそのボタンを下さい。
ボタンが欲しいと返事を返すことにした。信じられないと思ってしまったことは確かだったが、存在する証拠を見せてくれたのだから信じてみることにしてみようと思った。
自分がこの世からログアウトすることに後悔はしていなかった。只只自分の力でログアウトする方法が分からないでいた。どうしたら苦しまずに楽にログアウトできるのだろうかとずっと模索していのだから。
──承知致しました。今からお届けに参ります。
えっ!? またすぐに返事が来たのだけど、おかしなことに今からお届けに……と書かれているのを見て困惑した。
未だ相手に住所なんて教えてもいないのだからわかるわけが無い。やっぱり嘘だったのだろう。そんなボタンが存在する訳がない。
(騙すとか最低すぎる。ふざけんなよ! ) そう心の中で叫んだ。
ところが直ぐに玄関のチャイムが鳴ったのだ。恐る恐るドアの覗き穴から確認してみるも誰もいないので開けずにいると、更にチャイムが鳴った。
もう一度覗き穴から確認してみるも、やっぱり誰もいないが、気になるので勇気を出してドアを開けて見ると、玄関前に箱が置かれていた。とても怪しいと思ったものの、箱には
私に届いた荷物らしいが、心当たりが何も無かった。まさか本当にログアウトボタンだったりするのかもしれない。
それにしてもどうして私の名前迄知っているのだろか? とりあえず自分宛の荷物を抱えると家の中に戻って開封してみる。
すると中に入から出てきたのは、さっき見た画像と同じスイッチボタンだった。こんなにも短時間で場所も名前も特定出来ない人物に送る事が可能な物なのだろうか? そう思いながら恐る恐る手に取って見ると手が滑り誤ってボタンの上に手が覆いかぶさり、ボタンを押してしまったのだ。
(やばい!)
そう思ったものの、何も起きない。何故かログアウトするとほざいたくせに安堵しつつ、ボタンを確認すると、ボタンの上に覆いかぶさる透明の蓋があることに気づく。
(ふう、良かった! 助かった)
おっといけない。覚悟が出来ているはずなのに、何も起こらなかったことに対して何故か助かったと思い安堵してしまったのである。
直後、テーブルの上に置かれている携帯が突然鳴り響いた。
誰からの電話なのだろうか? 電話に出てみると聞き覚えのある声がする。そう、この電話の相手はクラスで女の子人気ナンバーワンの
(何でこの私にわざわざ永峰くんから電話があるわけ? 話なんかしたことないっつーの!)
「永峰くんどうしたの? 私電話番号教えたことあったっけ!?」
「ごめん……番号はめっちゃ怪しまれたけど、同じ係で伝達あるって言って何とかクラスの女子に教えて貰ったよ」
(そりゃそうだろ! 永峰くんが電話するなんてなったら怪しまれること間違いない……こっちは間違われても迷惑なんだけどね)
「そ、そうなんだ! それは大変だったね。で、係の用事って何かしら?」
「うん、ええっと、係は関係なくて……届いた荷物ってもう開封した?」
「開封? まさか、荷物置いたのって……それに……」
言おうとしたら、鍵をかけ忘れた玄関のドアが開き勝手に侵入してきたかたかと思うと、立てた人差し指を私の口元に当ててシーっと黙らせてきた。
「それも僕だよ! 僕は天界から来たんだ。信じるか信じないかは君次第だけどね」
「ふーん、永峰くんは神様なわけ? 」
永峰くんは不思議なことを言い出した。
「神様なんかじゃないよ天界では子供の天使だった……僕のいた天界から琴音も来たんだけど、どうやら何も覚えてはいないんだね。僕達は仲間だったんだよ! 僕は琴音が先に下界にいって離れてしまってからずっと寂しかったんだから」
「何それ……どんな創り話なのよ!」
永峰くんは真剣な眼差しで、此方を見ながら話をしてきた。
「僕達は人間の役に立つ為に下界に来ているんだよ! 自分のことより他人の幸せの為にね。ところが寿命を全うする前に疲れきって命を絶つものが多い。そう……琴音もそうしようと考えている」
確かにその通り、人生に疲れきっているのは確かだった。
「今僕は人生に疲れ、命を絶とうとしてる人を救う為に此処にいる……そう、琴音の為にね!」
「ちょっと待って、話してくれたことがまだ信じられないけど、SNSのやりとりも永峰くんってことよね……ならどうやって知ったの?」
「其れはたまたま、休み時間携帯を弄ってる時に後ろからそっと見たんだよ。僕の記憶力は半端ないんだ!」
「記憶力いいなんて羨ましいわね。でも普通見たりしないわよ」
永峰くんは、天界から来る時に私のことを監視するよう言われていたのだという。
それが本当なのか、嘘なのか私にはさっぱり分からないけど、携帯の除きみなんて良くない! 有り得ない。
「でもさ、永峰くんが救いたいっていうけど、私の手にあるのはログアウトボタンじゃないの?」
「そうだね、琴音が手にしてるそれはログアウトボタンだよ」
これがログアウトボタンなら、救いたいだなんて言葉を簡単に口にすること事態とても可笑しいことだろう。
一体彼は何をどう考えていると言うのだろうか?
「私、この世に何にも未練なんか無いわ! さっさと天界に帰りたいと思ってるんだから」
「残念だな! 僕はまだこの下界に来たばかりなんだよ。 この人間界にきてまだ間もないのに琴音がいなくなる何て想像すらら出来ないよ」
「でも、私は人の為に自分を犠牲にしてまで尽くすなんてこと出来ない! もう人生に疲れたわ」
「それなら、これからはこの人間界で僕の為に尽くしてくれないかな!? 僕は琴音の為に全力を尽くすから。君を守りたい」
──突然言われても嬉しくは無かった。
──私の心に響くことは皆無でしかない。
永峰くんとはまだ知り合って一週間しか経っていない。何故か係が一緒になったけど、学校に転入してきてから話すのは今日が初めて。
向こうは天界にいた時の私のことを知っているみたいだけど、私には天界にいた時の記憶なんか何も無い。
「あのさぁ、私は永峰くんと話すのは今日が初めてなの。だから、そんなこといきなり言われても迷惑だし困るわ! だって、永峰くんのことよく分からないじゃない」
「其れなら、僕と付き合ってくれる? そうしたら僕のこと分かるようになるから」
ログアウトしようとしているのに、永峰くんは付き合って欲しいと言ってきた。
「……」
「琴音……?」
「……」
「琴音を愛しているんだ!」
「全然意味わかんない。ほっといてよ! さよなら永峰くん」
──ログアウトボタンを押す。
──此処に未練はない。
体がふわっと持ち上がって、身体から簡単に抜け出せてしまった。
ふわふわと体が浮上して自分の身体を眺める形になり、自分は死んだんだと確信する。
こうして、ゆっくりふわふわ浮上しながら自分と永峰くんを眺めていると、永峰くんが叫んでる声が聞こえてきた。
「絶対後悔するから早く戻ってきて!」
未だそんなことを言っている。それでも琴音自身これが正解だと思っているし、幽体離脱してるんだからそんなの無理に決まっているのに。
琴音は天井に手を付き必死に叫ぶ永峰くんを眺めながら、もっと上に浮上しようとしていた。
──それなのに何故かその先に進まない。
「早くしないと肉体に戻れなくなるぞ!」
──ずっと急かされ続ける。
「やばい、エネルギーを持ってる霊が近くにいるぞ! そいつに身体が乗っ取られる可能性がある。琴音急げ」
急げったって、そもそも私は浮上して天界に行くことを望んでいる。戻ったところで何か良いことでも待ち受けてるわけないのに、なんでこんなに永峰くんは必死なのだろうか? やり残したことなんて何もないのに。
その後、永峰くんを無視して上に浮上しようとしていると、ふわふわしていたはずの魂がグイッと引っ張られる感覚に襲われた。
──なんだか重い。
──なんだかダルい。
──周りの景色が違う。
(ん!? 此処って……)
気づいたら真横に永峰くんがいる。 永峰くんの声に魂が反応したってことになるのだろうか?
重くなった腕を持ち上げ目の前にある手を見つめると、しっかり手の平が見える。
──肉体に戻されていることに気づいた。
「ちょっと、永峰くんなんてことしてくれるのよ。せっかく死ねたのに」
「琴音が死ななくて良かった。命を無駄にしたら駄目なんだよ」
永峰くんが戻ってきた琴音を抱きしめて涙している。
「ちょっと勝手に抱きつかないでよ! 離れてくれる? こんな私の為に泣いてくれてるのはありがとうだけど……」
「僕達は天界から来たんだ! 人々を幸せにするためにね。だからもう少し此処にいなくちゃいけないよ。僕も一緒に此処での仕事を手伝うから」
「だからいい加減冗談よしてよ! 私達が天使だった証拠でもあるわけ?」
「うん、あるよ! ほら此処、胸の谷間にマークがあるはず」
「ええっ! そんなところに?」
そっと胸元にある服をひっぱり上から胸元にできた隙間を除くと、薄らと羽のマークがあるのに気付いた。
「なにこれ……めっちゃかわいいけど、これがそうなわけ?」
「うん、そうだよ! 驚いたよね」
「えへへ、うん、驚いた。そうね、ちょっとだけなら信じられるかも。肉体に戻してくれてありがとう。命を粗末にしたらいけないわよね。それと……いいよ! 」
「ん!?」
「だから、友達にならなっても良いわよ永峰くん」
「そっか、なら友達からってことで宜しくね。先ず明日からは、人々を幸せにするためにこの種を学校の花壇に植えるよ」
「何その種? これは天界に咲く花だよ! わざわざ持ってきたんだ。この花を見た人は幸せになれるんだって」
そう、この花を見たら僕達も……。
永峰くんは不思議なことを言うけど、皆が幸せになるために此処に来たんだもんね! 琴音明日からも頑張りまーす。そう、頑張って生きていきまます。
──皆が幸せになるように。
──私達も幸せになるように!
「将来結婚したらさ、子供は沢山欲しいな」
「えへへ……そうだねぇ。って……あのねぇ、永峰くんと私は未だ付き合ってないんだからね……」
「あははっ、そうだっけか……」
「そうだよ、ふふふっ」
その日から、何故か天使の永峰くんは監視するからと言って、一人暮らしをしている琴音のアパートの部屋に住み着いてしまった。
「もう、永峰くんと私はカップルじゃないんだから勝手に住み着かないでよ!」
「いいじゃん、同じ天使同士パートナーなんだから……」
「ぐぅ、そうらしいけど……」
──住み着いてから一週間が経過する。
「あのさぁ、そろそろ少しくらい僕のこと好きになってくれた?」
「ま、未だかな……」
「ふーん、料理担当も僕、掃除も僕……色々やってるのになぁ」
「あ、ありがとうございます。でも、私は部屋提供してんだからね。其れは永峰くんがやって当然でしょ!」
「おっと、このパンツ可愛いね……くまさんの絵が……」
「もう、これはやめて~自分で下着は洗濯するからって言ってるでしょ変態天使め!」
「うぅっ、ごめん……」
永峰くんはあの日から、監視するだけでなく、私を幸せにすると言って色々してくれる。
ほっとくと私の下着を洗おうとしたり、お風呂でお背中流すといって一緒にお風呂に入ろうとしてくるけど、どんだけ尽くそうとしているのだろうか? 今迄こんなに尽くされたことがないから嬉しいけど……。
(だからって好きにはならないんだからね……多分……)
「ねえ、琴音、今度デート行こうよ!」
「あのね、まだ付き合ってないから、デートじゃ無くて一緒にお出掛けでしょ! 距離が近すぎんのよ」
「ごめん……なら、こんな僕だけど付き合って下さい」
いきなり告白されてしまった。
「……ごめん……な……さい」
「そ、そうなんだ! 可笑しいな! 天使の時結婚する約束してたのに」
また永峰くんが不思議なことを言い出したけど、やっぱり私は天界でのことを何も覚えていないらしい。
次の日、朝学校に行くと、クラスの女子達に取り囲まれて、永峰くんと付き合ってるのか聞かれることに。
女子から人気の永峰くんだから、毎日一緒に学校に来ていれば怪しまれるし、付き合ってるのか聞かれて当然なのだけどちょっと面倒臭い。
結局、反論したものの、何故か邪魔者扱いされて虐められるようになってしまった。
「そういえば、最近一緒に登校したくないって言い出すから、別々に登校してるけど何かあったの?」
「別に付き合ってるわけじゃ無いしね! だから別々の方が良いと思っただけよ」
永峰くんは優しいけど、クラスの女子から虐められてるなんて相談出来ない。バレてもいないようだから、このまま隠しておくことにした。
そんなある日の放課後、
「ちょっと、盗んだの琴音でしょ! お金盗んで困らせたいわけ?」
女子から嫌われているせいか、紗奈からいきなり犯人扱いされてしまった。
「何で黙ってんのよ? 永峰くん、犯人琴音だわ」
勝手に犯人だと決めつけ、紗奈は集金係の永峰くんにそう伝えた。
呆れながらも、どーでもいいって表情を浮かべながら、このクラスを出ると屋上に逃げ込む。反論しようが無駄だろうし、自分にはどうすることも出来ない。
やっぱり未練も何も無い私は、ベランダの柵を乗り越え、一歩踏み出そうとした。
「待って! 僕から居なくならないで」
声のする方へ振り向くと、屋上に来たのは永峰くんだった。
「もう、ほっといてよ! 私は疲れたの」
「僕は盗んだのが琴音じゃないってわかってるよ! 琴音はそんなこと絶対しない。一緒に暮らしてるんだからそれくらいわかる」
「そんなこと、どうでもいいのよ。もう消えたいの」
それからずっと永峰くんに説得されて、結局飛び降りるのを辞めた。
「また永峰くんのせいで助かっちゃったじゃない。どうしてくれんのよ」
「それなら、責任とって今から琴音の彼氏になるよ」
「何それ……ふふふっ」
それから一緒に教室に戻ると、何故か未だクラスの皆が残っていた。
「何だ、皆んなまだ帰って無かったのかよ! 良いか、琴音は俺の彼女だからな。琴音は優しい子なんだ。そんな子がお金盗むわけないだろ!」
ムカつくから、私は紗奈を睨んでやった。紗奈はオロオロしながらこっちを見ている。
「ほら、早く謝れよ!」
クラスの皆んなから紗奈はそう言われて、少し嫌そうに謝ってきた。
「ごめん」
話を聞くと、お金は盗まれてなんか居なかった。ちゃんと紗奈が持っていて、鞄の中に入っていたそうだ。
言い掛かりを言ってきた時、そのことを知っているのがクラスに数名いたらしい。その後、屋上には永峰くん以外にも数名来ていたらしく、私が飛び降りようとしていたところを目撃されていた。
他の人には来ないよう、「僕に任せて欲しい! 皆は帰っててくれ」と永峰くんが言ったらしい。
「何それ……」
謝られても紗奈のことを許せなかった。手に力が入り、紗奈の頬を平手打ちする。
その行動を止めようとする人は誰も居なかったので、そのまま紗奈の頬に当たり、自分の手も痛くてジンジンしながらワンワン泣きまくった。
暫く泣いた後、永峰くんがあの花が活けられている花瓶を持って立っているのが目に入った。
二人で花壇に植えた種がもう育って真っ赤な花が咲いたらしい。
紗奈もその華麗な花が目に入ったのだろう。其れを目にした途端、私は紗奈と抱き締めあって仲直りしていた。周りも拍手をしている。
こうして次の日から、コミュ障だった私にはクラスの皆が友達になり、紗奈は親友になって、永峰くんは彼氏になった。
「ほら、琴音学校遅れるぞ!」
「うん、待って
突然、クラスの公認カップルになった私達は、毎日手を繋いで学校に登校している。
「ねえ、龍斗大好き」
そう言って、頬にそっとキスをした。龍斗はめちゃくちゃ照れている。
「責任とって、将来結婚してよね……えへへっ」
耳元で小さな声でそう言った。
「えっ? 琴音、今何て言ったの?」
「ん? えへへっ秘密」
そういうと、遅刻しそうだから駅までの僅かな道のりを走った。龍斗も走って追いかけて来る!
──この幸せが何年先もずっと続きますように。
✩
─あれから十年後
「龍斗お仕事いってらっしゃい」
「琴音、それから
「パパいってらっしゃい」
龍斗と琴音は玄関先で口付けを交わす。
「ママずるい!」
「花菜は頬っぺねぇ」
龍斗は三歳の娘の花菜にキスすると、二人の可愛い天使に見送られながら仕事に向かった。
そう、私達は約束通り結婚して子供も授かり、幸せに暮らしています。この幸せが永遠に続来ますように。
「ねぇ、ママこれ何?」
「これはね、幸せになる花の種よ! 今から一緒にお庭に植えましょうね」
「うん、楽しみ」
私はどうやら天界からきた天使らしいよ! 人生ログアウトしようとしたけど永峰くんと下界でも生きていくことになりました。 東雲三日月 @taikorin
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