3rdステージ『62番:メルロレロ・ルルロポンティvsボーイ』

控室

 異世界『控室』。


「次も正真正銘俺様の出番になりそうだな!」

「んんwww正真正銘が安売りすぎるwww」


 冷蔵庫の中にあった具材を切ってパンで挟んだだけ。そんなサンドイッチのようなハンバーガーを美味しそうに頬張る。


「足りなかったら言って。まだまだ作るから」

「んにゃ、いいよ。次も俺様らしいし」

「んんwww大活躍ですなwww」

「そう⋯⋯⋯⋯」


 若干残念そうにメルロレロが食器を洗い始める。そこへクサハエルが横入り。


「んんwww貴殿も次の参加者ですぞwwwここは我に任せて先に行く以外ありえないwww」

「あ、うん。そう⋯⋯ありがとう」


 無駄に機敏な動きでテキパキ動くおっさん天使に閉口する。ドアノブの上で横になりながら口をモゴモゴさせるピエロは見なかったことにして、エンドフェイズにべったりのままパンを齧るハートのところへ。


「何か注意したほうがいいこと、ある?」

「⋯⋯私たちの常識、通じない。流れに逆らわないよう⋯⋯慎重に、状況を見極めた方が、いいかも」

「うん、ありがと」


 開始までの数分間が手持ち無沙汰だ。

 と、クサハエルのもっちりして短い腕がにゅっと伸びる。


「んんwww貴殿もしっかり食べませんとなwww応援してますぞwww」


 サンドイッチのようなハンバーガー。


「あ、はぃ⋯⋯⋯⋯ありがとう、ございます」


 予想外の親切に、頰を染めて口をまごつかせる。そういえば自分も空腹だったことに気付いた。


「メルロ」

「んんッ!?」


 むせた。

 高月さんが笑う。


「二人とも勝つぜ!」


 拳と拳が合わさった。

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