第9話楽しむのつまらなくするのも自分

青春の一ページ文化祭。それを良くも悪くもするのも自分次第。浮かれている奴も居れば面倒臭いと思っている奴もちらほら見られる。ぶっちゃけ俺は文化祭は乗り気ではないのだがやらないと人数が足り無さそうなのでやる事にした。俺は一人でメイド喫茶の受付係をやっている。正直言って忙しい。何故かと言うとこのクラスのメイドが可愛いと学校中に広まり、人が次々集まってくる。受付から隣のクラスまでに長蛇の列できてる。なので休む暇もなく働かせられている。だがどうやらあと少しでその長蛇の列も終わりが見えそうだ。

長蛇の列が無くなり少しは休憩できるようだ。

「お疲れ様」

隣から馴染みのある声が聞こえる。

「あぁ玲香か、そっちもおつかれさま」

俺の方も大変だったけど中の方が受付より忙しかっただろう。

「ねえ杉村この後って誰かと文化祭回る予定ってある?」

「別にないけど」

「よかったらこの後一緒に回らない?」

「俺はいいけど玲香は友達と一緒回らなくてもいいのか?」

玲香と一緒に回りたい奴は指で数えられないからいるのに俺と文化祭回ってもいいのか?

「別にいいわよ、私が誰と回ろうが私の勝手でしょ」

「はいはいそうだな。あと一時間後ぐらいに休憩入れるけど玲香は休憩いつだ?」

「私も一時間後だよ」

「じゃあ一時間後昇降口に集合な」

「了解」

玲香と少し話した後少しずつ増えてきてる客を受付して、あっという間に一時間過ぎた。

近くにいたクラスメイトに受付を代わってもらい休憩に入る。少し着替える為に教室に入ると玲香はまだ接客をやっているみたいだ。

着替えが終わったあと昇降口に向かい数分経った頃玲香が来た。

「おつかれ」

「杉村もおつかれ」

「それじゃあいくか」

「どこに行くの?」

「3-c組のクレープ屋なんでも生地がモチモチして美味しいらしい。」

「よくそんな事知ってるねずっと受付してたのに」

「受付してる時の空き時間にいろんな所から盗み聞きしてたからな」

「うわぁー盗み聞きとか引くわー」

「おい。引くなやとりあえず行くぞ」

そうして俺は学校で配られた文化祭のパンフレットを開き目的場所に行きお目当てのクレープを買った。

「このクレープ美味いな。生地がモチモチの他に結構果物がふんだんに使われて、歯応えがあるな」

「確かに噂されるだけはあるね」

「俺が盗み聞きしたおかげだな」

「誇る事じゃないけどね」

そうして雑談して間にクレープは食べ終わり色々なクラスを回った。

「いやーどこも凝ってるな特に2-Aのお化け屋敷完成度高かったな」

「確かに杉村がずっとビビってて面白かったわ」

「いや、全然これっぽっちもビビってないけど」

「はいはい。ビビってないねー」

玲香に煽られながら腕時計を見るそろそろ休憩が終わるのでそろそろ戻らないと。

「そろそろ休憩終わるからもう戻るぞ」

そう言って俺と玲香は教室に向かった。

「もう少し杉村と一緒にいたかったなー」

と誰かがポツリ呟いた。





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