蛇の舌で雨宿り

利己的な螺旋

姉の子と私の子

究極的には同じ存在

幼い頃　姉と私は　殴る蹴るの喧嘩をしていた

お互いに　口より先に手が出た

家で育てていた蚕のほうが　姉より好きだった

好きな人・生き物ランキングがあるのなら　姉は最下位だった

いつも　文句ばっかり言っていた

三十路の春　姉が無垢を着た

私は姉と腕を組んでいた父より泣いた

姪の誕生にも　最も喜んだのは私だ

姪にとって　私は第二の母だっただろう

だって姉と私がまだ戦っていたとき

私の子宮が使い物にならなくなったあの時

最も労ってくれたのは姉だ

無垢なんて着る気のなかった姉が

適当な相手を見つけてきたのも

私の希望が絶たれたことに

一緒に嘆いてくれたのも

全部ランキング最下位の姉だ

今でも姪のことで姉と喧嘩になる

姉のやり方では姪はかわいそうだ

それでも究極的に姪は私の子であり　姉は私自身なのだ