第一章 武の都

武の都

槍海商都そうかいしょうと】は、この煌国の東端に位置する大都市だ。


 今や煌国有数の交易都市であるこの都は、かつては【槍海村そうかいそん】という小さな村に過ぎなかった。


 二〇〇年以上前の群雄割拠の戦乱期、その村は煌国の国境にあった。


 国境というのは、隣国からの侵略の際に真っ先に被害を受ける地域だ。


 だからこそ、そんな厄介な土地にあったその村では、自衛の手段が切望された。


 村人は武法士を招き入れ、彼らから武法を学んだ。


 やがて、恐れていた事態が現実となった。隣国の軍勢が攻め入ってきたのだ。


 だがその頃すでに大半の村人が武法を学んでいた。軍勢は村人の技と戦術に散々悩まされた。その頃の村人達の勇猛さは、今なお大陸各地で語り継がれている。 


 煌国が大陸全土を統一し、戦乱の時代が終わりを迎えた後も、【槍海村】では尚武の気風は廃れず、武法が根強く伝承されていた。


 しかしながら、大陸統一を果たして平和になった後、武に長じた集団である【槍海村】は「不穏分子」とみなされた。


 むべなるかな。王朝をひっくり返した武装勢力は、いつの時代も武術家の集団が中心だったからだ。


 【槍海村】が何かのキッカケで逆賊になる可能性を、朝廷側は無視できなかった。


 けれど、一方的に力で滅ぼそうとしていては、それがそのまま火種になりかねない。


 ゆえに朝廷は、【槍海村】を煌国有数の交易都市として発展させようと考えた。


 【槍海村】の住人を飢えさせないことで、反乱の火種を作らせないため。


 さらに、朝廷と縁が深い貴族にそこを管理させ、住人の行動を監視しておくため。

 

 何より【槍海村】は幸運にも、交易都市を築くのにおあつらえ向きの位置にあった。


 大陸には、各地へ血管のように分岐した【奐絡江かんらくこう】という大河がある。


 煌国を含む歴代の王朝の首都は、その【奐絡江】へ運河を引くことで、各地と水路で繋がり、物流と経済を円滑化してきた。


 【槍海村】のすぐ南西にはその大河の支流が流れており、なおかつ東の海ともほど近い。


 もしも【奐絡江】と【槍海村】を運河で繋ぎ、さらにそこから海へと繋いだならば、大陸内での交易だけでなく、海外との交易の拠点にもなり得る——


 朝廷は【槍海村】の大改造に着手。


 辺境の小さな村が、大勢の人やモノが行き交う巨大市場へと大変身を遂げた。


 そうして仕事が増え、生活も豊かになる。


 朝廷としては、金と豊かさを使って住民の尚武の気風を薄れさせることも狙いの一つだった。


 けれどそんな思惑とは裏腹に、武法の伝承はほとんど途絶えることなく続いていた。


 武法を禁止する事は簡単だ。だがそれをすれば武法士達の反感を生み、火種を生み出してしまいかねない。強権を振り回しただけで御せるほど、武法という雑草は弱くはないのだ。


 なので国は仕方なく、都の至るところに闘技場を作った。もし武法士の間で争い事が生まれたら、街角ではなくその中で争ってもらう。そうすることで街が荒れるのを避けた。


 その程度のことしか出来なかった。


 武法士という難儀な人種に振り回された末に生まれた、歴史の皮肉を象徴する城郭都市。


 それが、「商業都市」と「武の都」の二つの顔を持つ【槍海商都】なのである。

 

 







 最初にリンフーとシンフォを出迎えたのは、視界に納まりきらないほどの巨大な城郭だった。


 端が全く見えないほど長い。


 上の輪郭も首を上に向けないと見えない。本当に巨大な壁だ。


 現在東に傾いている太陽の半分がその壁の輪郭に呑まれていて、壁から遠く離れた場所にまで影が差していた。


「この城郭は【龍鱗壁りゅうりんへき】だ。【槍海商都】をぐるりと一周して囲っているんだよ」


 その威容に空いた口が塞がらない愛弟子に対し、シンフォは苦笑混じりにそう説明した。


 時に馬車で、時に歩きで、あらゆる交通手段を使ってとうとう目的地へたどり着いた師弟は、【龍鱗壁】の南門の隣にある検問で通行税を払い、念願の都の中へと足を踏み入れた。


 果たして、リンフーの目に飛び込んできたのは、これまで見た事のないような人の営みと景観だった。


 両腕を広げた人間が二十人ほど横並びで歩けるほどの大通りが、遠く真っ直ぐへ敷かれていた。そこには、密度の濃い往来が絶え間なく流れていた。


 その大通りの端にびっしり軒を連ねているのは店と思われる建物。いずれも、貧乏な田舎者のリンフーでは入ったところで何も出来ないような高級感を匂わせていた。


 地面はほぼ全てが石畳に覆われている。


 あまりの繁栄ぶりに、リンフーは早くもめまいを覚えた。


 自分がこの膨大な人混みのうちの一粒だと強く意識させられ、己のちっぽけさを思い知らされる感覚。


「おいおい、今からそんなでどうするんだ? 私達はこれからここに住むんだからな」


 対照的に、全く感慨を見せていない様子のシンフォ。濃密な年の功を感じさせた。


 動けない弟子の手を握ると、師はそのまま歩き出した。リンフーはまるで小さな子供のように引き連れられていく。


 引っ張られながら、ぼんやりと街並みと人混みを眺める。


 よく目を凝らすと、明らかに異国人らしき人もちらほら見られる。この都市には異国の人やモノも流入しているらしいので、珍しい光景ではないのだろう。


 シンフォが最初に立ち寄ったのは情報屋だった。この【槍海商都】にまつわる色々な情報を売って金を稼いでいる店だという。右往左往しないための時間短縮だろう。


「この都で一番安くて広い貸家はどこかな?」


 入って早々、シンフォは勘定台の向こうに座る店主らしき男に尋ねた。


 年齢はおそらく三十を超えて間もないほどだろう。狐みたいな面長の顔は、軽薄そうでいてどこか海千山千の狡猾さを感じさせる面構えをしていた。


 その男はニヤニヤしながら言った。


「ふぅん? いくら出してくれるんだい?」


 シンフォは即座に銭貨を勘定台に積んだ。


 男は狐みたいな顔をニヤつかせたまま、シンフォの胸部に実る豊かな果実へわざとらしく視線を向けた。


「ふぅん? これくらいでも構わないけどさ……その大きな胸を少しつつかせてくれるなら、この金の半分以上まけてあげてもいいよぉ?」


「おい、ふざけんなよ」


 リンフーが凄むと、狐男は「ははっ、冗談だよ冗談」と軽く笑う。


 一方、シンフォは嫌な顔をするどころか、挑戦的な笑みを浮かべて狐男を見据えた。


「ほう、私に興味があるのか? なら、私の実年齢を教えてやろうか? ちなみに私は【亜仙あせん】だぞ?」


「……ふぅん?」


 狐男は一瞬その細い目を見開くが、すぐに元の調子に戻ると、勘定台の上の金を腕でかっさらってから、


「——この都の中心には【尚武環しょうぶかん】っていう大きな円形の闘技場と、それを中心にした広場がある。そこから北西方向の大通りをしばらく真っ直ぐ進むと、右側に「ソン六合刮脚りくごうかっきゃく」って扁額へんがくがかかった大きな門がある。そこを尋ねて「夫婦が死んだ家が見たい」って言えば、何か分かると思うよ?」


「上手いこと交渉すれば、端た金でそれなりに広い家が借りれると?」


「さぁ? それはそちら次第じゃないかい、「お婆ちゃん」。この金で俺がしてやれるのはここまで。交渉方法を知りたいなら、いよいよそのでかい乳を揉ませてもらうしかないかもねぇ。女郎屋にも滅多にいないよ、そんな良い乳した女の子」


「無用だよ。誰彼構わず揉ませるほど尻軽ではないものでね。それと今度から「お姉さん」と呼べ、小僧」


 シンフォは不敵にそう言い捨て、リンフーを引き連れて店を去った。








 狐男の言われた通りに進むと、言われた通りの場所にソレは鎮座していた。


 黒い木の門扉はそれなりに年季が入ってはいるが、硬く分厚い。


 焦げ茶色の瓦が張られた軒のすぐ下には、情報屋の言った通り、竜跳虎臥りゅうちょうこがたる書体で「宋氏六合刮脚」と彫られた扁額がはめ込まれていた。


 派手に飾らないが、決して地味ではなく、質実剛健たる気風を門構えから感じた。


 さらにその門扉の左右からは、瓦屋根が被さった背の高い土塀が広がっていた。この都で見てきた高級店舗にも負けないくらいの広さがあり、この道場の勢力の大きさが一目で分かる。


 そう。ここは道場、つまり武法を教えて飯を食っている場所である。


 【六合刮脚りくごうかっきゃく】という流派は有名だ。変幻自在で多彩な蹴り技を得意とする武法である。蹴りに関しては、この大陸で随一の強みを誇る。


 扁額にある「ソン氏」という文字は、この道場の主人の姓だ。


 つまり「ソンさん」が武法を教えているのだ。


(……ん? 【六合刮脚】に「ソン」? なんか聞いたことがあるような……)


 自身の記憶に引っかかりを覚えたリンフーは、その正体を探るべく記憶の海に潜ろうとした。


 だがシンフォはそんな弟子の様子に構わず門扉を叩く。


 十秒ほどで門は開き、その音によって思考が現実に引き戻された。


「なんだ、入門か?」


 中から出てきた男が、やや面倒そうにそう切り出した。


 白を基調とし、手首足首までを覆ったその身軽そうな装いは稽古着だろう。


 門扉の隙間からうかがえる修行者達の服装も、すべてその白い服に統一されていた。


 シンフォは友好的な笑みを浮かべながら言った。


「入門ではないよ。ちょっとここの家主に話を伺いたい。あ、別に決闘を申し込みに来たわけでもないから警戒しないように頼むよ」


 その門下生の男は訝しみながらも「……少し待ってろ」と言い残し、一度門を閉じた。


 しばらくして、再び門が開けられ、中から一人の偉丈夫が出てきた。


「……待たせた。俺がこの道場の師範だ。して、何用だ?」


 まるでヤクザ者のような中年の男だった。厳しい顔立ちは左頬の大きな切り傷を中心にして様々な細かい傷跡が刻まれている。


 胴体と四肢も骨太で大樹のような頑健さが感じられ、リンフー程度なら簡単に締め殺せそうだった。


 まさしく歴戦の戦士といった出で立ちの偉丈夫は、リンフーとシンフォをその鋭い眼差しで見下ろした。


 リンフーは思わずビクッと身を震わせるが、それをおくびにも出さないように努めた。


 一方、シンフォは物怖じ一つせず、用件を簡潔に述べた。


「「夫婦が死んだ家」が見てみたくて来た。なんなら、そこを借りて住みたいとも思っている」


 偉丈夫の鋭い眼差しが少し開かれた。リンフーの心臓が跳ねる。少しまぶたを開いただけなのに凄い迫力だ。


「……分かった。ついて来い」


 かと思えば、偉丈夫は門下生らに「各自好きに練習しろ」と簡潔に言い残し、門を出た。


 二人はそれについて行く。


 北西の大通りから狭い脇道へ入る。日当たりがあまり良くなく、ややジメッとしている。


 そんな狭い道をしばらく歩くと、一件の家屋に到着した。


「……ここだ」


 偉丈夫によって示された一軒家を見たリンフーは眉をひそめた。


 ひっそりとした細道沿いにあることを踏まえても、明らかに他の建物とは空気の濁り具合が違った。


 確かに、それなりに大きな一階建ての建物だ。その隣にある、塀に囲われた庭も結構広い。


 しかし、外壁の所々にツタが侵食しており、塀の上の輪郭からも草の先端がチラついていた。


 結構立派な家だ。しかしこれに住みたいかと問われると……少々難色を示さざるを得ない。


「……ここは昔、俺の両親が住んでいた家だ。両親が永眠してからは空き家になったため金を取って人に貸していたんだが、そこに住んでいた夫婦の夫の方が浮気をしてな、妻が夫を刺し殺して自分も自刃した。そうしてまたこの家は空き家になったが、空いた経緯が経緯なだけに誰もこの家に寄り付かない」


「うわぁ」


 偉丈夫の淡々とした説明に、リンフーは思わず嫌そうな声を漏らした。


 一方、シンフォは微笑んで、


「ほう? なかなか良い家じゃないか」


「シンフォさん、それマジで言ってるのか?」


「大マジだとも。雑草なんか引っこ抜けばいいし、埃も掃除して取り払えばいい。大事なのは「ガワ」の有無だ」


 シンフォは偉丈夫の方を向き、改まった口調で言った。


「すまない、自己紹介がまだだったな。私は黎惺火リー・シンフォ。そしてこの子が弟子の汪璘虎ワン・リンフー、こんな可愛い顔だが股間には立派なアレがぶら下がっている」


「な、なんて紹介するんだよ!」


 股を隠して赤面したリンフーの抗議ののち、偉丈夫も自己紹介を返した。


「……俺は宋淵輝ソン・ユァンフイ


 その簡潔な名乗りを耳にした瞬間、リンフーは驚愕した。


「えっ………………ま、まさか【無影脚むえいきゃく】の宋淵輝ソン・ユァンフイっ!? 【求真門きゅうしんもん】の襲撃から【玉芝郷ぎょくしごう】をたった一人で守ったっていう、大陸最強の脚法使い! その蹴りは始めから終わりの過程が全く見えず、蹴られて初めて蹴りの存在に気づくほどの神速の蹴り技! 【六合刮脚】といえば武法の中でも数少ない蹴り技主体の流派で、しかもその中では最高峰と言われる流派の一つ! しかも【無影脚】の使うソレは分派が増えた【六合刮脚】の中で、最も古い源流! その蹴りは他の分派と違って突筆した個性は無いものの、あらゆる状況に対応できる技の数々がふんだんに詰まっている、まさしく武法における蹴り技の大図鑑とも言える武法で痛っ!?」


「こら、暴走するんじゃない。このオタクめ」


 口から濁流のごとく知識を放出させていたリンフーを、シンフォの手刀がビシッと黙らせた。


 それから偉丈夫——宋淵輝ソン・ユァンフイへ向き直り、


「すまないね。この子は武法の英傑の話が大好きなんだ。だから時々暴走して、その知識を大量にお漏らしする悪癖がある。まぁ、そこが可愛いんだが」


「……構わない。それに、俺は英傑などではない。【求真門】による理不尽な暴虐が行われていた場にいて、それを止める力があったから振るっただけのこと。力さえあれば、誰でも同じことをするだろう」


「そんなことないです! それをやろうとする人間はなかなか居るものじゃない! あなたには力だけでなく、仁と義があった! だからあなたは武法の世界で一目置かれ、尊敬されるようになったんだ!」


 そのようにまくし立てたリンフーに、ユァンフイは少し驚いたように目を見張ってから、すぐに穏やかに目元を緩め「……ありがとう」と小さく言った。


「そ、それでその、えっと、あの………………ボ、ボクと握手してはもらえませんかっ!?」


 リンフーは恥ずかしさを覚えつつも、思い切った態度で手を差し出した。


 伝説の脚法使いは細く鋭い目を何度かぱちぱちさせてから、そっとリンフーの手を握る。リンフーもまたその大きく無骨な手を握り返し、握手を交わした。


 手を離した後、リンフーは感激した顔でシンフォに振り向き、


「シンフォさんどうしよう! ボク、もう一生手洗えないかもしれない!」


「はいはい、よかったね。でも、手はちゃんと洗うんだぞ」


 呆れ笑いを浮かべながら、愛弟子の頭を撫でるシンフォ。それから再び偉丈夫に向き直る。


「だいぶ話が横道に逸れてしまったが、本題に入ろう。——この家を私達に貸して欲しい。家賃はひと月に二〇〇綺鉄きてつでどうかな?」


 【綺鉄】とは、この国における通貨の単位だ。


 ひと月に一万綺鉄稼げれば立派な高級取りであると言われている。


 家をひと月借りる家賃は、低くても五〇〇綺鉄が下限であるのが一般的だ。


 当然ながらユァンフイは「……安すぎる」と却下した。


「では、幾らを希望する?」


 シンフォの問いに対し、ユァンフイは「……七〇〇綺鉄」と告げる。


「それでは少々高いな。ここは人死にが起きた事故物件だ。こんな怨念が宿っていそうな所を欲しがる者はそういまい。我々もそこを我慢して住もうというのだ。しかも草取りと掃除もやってやる。それに我々もいつまでもここに住むことはないだろうから、いつかまたこの家は空き家に戻るだろう。そうして「我々が長年住んでいた」という前例が生まれれば、将来的にこの家に寄り付く者も少しは増えるのではないかな? というわけで三〇〇綺鉄を希望する」


「……六〇〇綺鉄だ」


「三五〇綺鉄」


「……五〇〇綺鉄だ。これ以上は値切りしかねる」


「四〇〇綺鉄。私もこれ以上払う気はない。だがそれはあくまで金の話。それ以外の物なら支払っても構わない」


「……何を払う?」


「医術だ。私はこう見えて医者で飯を食っていてね、腕もそれなりにあると自負している。武法を教える立場に立つ者は、基本的な医術知識の心得を身につけるのが常識だ。怪我した弟子を治せない師匠はお笑い種だからね。だが私はその基本の範囲を超えた高度な医術を習得している。もしも君の家族や弟子が何らかの病にかかった場合、私はそれを無償で診ようじゃないか。どのような病であっても、だ。その「無償」を残りの一〇〇綺鉄分として扱ってもらいたい。どうだ?」


「……悪い話ではない。だが、最終的な決定権はあくまでこちらにあることを忘れてもらっては困る」


「つまり、事と次第では呑んでくれると? 何を望む?」


「……その前に、一つ聞きたい。お前達は、何のためにこの都へ来た? 単なる引越しのためとは思いにくい。もしかして、武法関連の事情か?」


「鋭いな。そうさ、全てはこの子……リンフーの修行の一環さ。【槍海商都】は「武の都」と呼ばれるほど武法が盛んな土地だ。ここから出た達人や英傑は数知れない。武法の修行にはうってつけだと思ってね」


 シンフォの弁舌を聞き、ユァンフイはしばし瞑目してから、やがて重い口調で言った。


「……ならば、その子の気持ちがどれほどのものであるのか、一度確かめさせてもらう。お前の提案に乗るかを考えるのはそれからだ」


「つまり、手合わせをしろと? 少し大人気なくはないかい? はっきり言って今のこの子と君とじゃ、実力に大きな差がある。五才児と大人を戦わせるようなものだ」


 シンフォの言葉に対し、ユァンフイは一息置いてから言った。


「……案ずるな。戦う相手は俺ではない」

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