第34話 復讐5
ポタポタと、樹くんの顔に私の涙が落ちる。樹くんは、その感触すらもう感じられないのだろうか……。
「……はんな……」
樹くんの目が、小さく開いた。樹くん!!
でも、泣きすぎていて声にならなかった。
「泣かないで……」
泣くよ……泣くよ! 私のせいで……!
「……あ……まどかさんに、よく似てる……」
「……え……?」
「下から見ると、まどかさんにそっくりだ……」
樹くんは笑って、また目を閉じた。
そりゃそうだよ。私は……樹くんと樹くんが愛した人の娘だったんだよ……!
閉じられた樹くんの目が開かれることは、二度となかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます