第26話 あいまい4

「娘は樹にとても懐いています。樹は、あの女さえいなければあんなことをするような子じゃないんです!」


 私は、ちょっとは大人の事情が分かる年齢になっている。


 ママが前のママを嫌う気持ちも、少しずつ理解できるようになっていた。


 そして、このババアが胸くそも根性も悪いことを言ってるのも分かる。


 あんたら、たぶん樹くんを見守る立場じゃないの? 何、あんたらが色眼鏡で見てんだよ。


 樹くんは、娘と同じくらいの年だからって何かするような人間じゃない。一度だって、私に悪意を向けたことなどない。


「ざけんな! ババア!!」


「えっ?! どうしたの、はんな?!」


 え、私今なんか言った? んー、なんか、口が勝手に動いたような気もする。

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