第24話 あいまい2

「ただいまー」


 ランドセルを玄関に放り投げる。


「いってきまーす」


 公園に走る。今日、学校でドロケイを教えてもらった。これが、すっごくおもしろい!!


 毎日の鬼ごっこに飽き飽きだった私たちに、新しい遊びが増えたのだ。


「はんなちゃん、泥棒ー」


「やったー! 泥棒! 泥棒!」


「あはは、はんなちゃん泥棒がいいのー?」


「ドロケイやるなら、泥棒でしょ!」


 警察なんて、ただの鬼ごっこと変わらない。


 私たちは夢中で遊んだ。だって、お外はまだ明るい。


「うわ! 大変! もう6時過ぎてるよ!」


「うそ?!」


 ほんとだ! 5時までにおうちに帰らないといけないのに!


「バイバーイ! また明日やろうねー!」


 走って帰る。ヤバイ! 1時間以上も門限過ぎてる! 怒られる!


「はんな!」


 ん? 名前を呼ばれた?


 声の方を向いたら、小道の向こうを自転車で走っていた樹くんが、私を見つけたけど小道へ曲がりきれず、自転車を蹴って飛び下り小道を走って来る。


 樹くんが、飛んだ!!


 びっくりして立ち止まった。


「はんな! どうした? 何があった?」


 はーはーと樹くんは息を切らしている。


「ごめんなさい、ドロケイしてたの」


「ドロケイ? ……なんだ……」


 久しぶりに、樹くんと手を繋いでおうちに帰る。


「あ、ねえ、自転車は?」


「……後で取りに行く」


 樹くんが握り直すように手に力を入れた。


 樹くん、怒らないなあ……。ホッとした。おうちに入る。


「はんな! 何時だと思ってるの!ママや樹がどれだけ心配したと思ってるの!」


 ママには、ものすごく怒られた。

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