第14話 4歳の暗殺者

 私が4歳だからって、復讐を果たせないと思わないことね。


 私のママは、毎週コナンくんを観ている。私も一緒に。


 昨日のコナンくんでは、被害者は包丁で刺されて死んだ。


 今、このキッチンに人はいない。私は包丁のある場所を知っている。樹くんが来たら、包丁で―――


 来た!


 樹くんがコップを出し、冷蔵庫から牛乳を取って注ぐ。


 気取られないように、私は包丁が収納されている扉を開ける。包丁を手に取った。


 この刃を、樹くんに―――!


「はんな。危ないよ、ケガするよ」


 ヒョイと包丁を奪われてしまった。あ! しかも、ママが来た!


「どうしたの?」


「はんなが包丁出しちゃって」


「こら! はんな! 包丁なんて触っちゃダメでしょ! もう、チャイルドロック付けないとね。ありがとう、樹」


 ……怒られてしまった……


 命拾いしたわね、樹くん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る