第20話『ハウルの動く城 動かないお祖父ちゃんの腕』
RE滅鬼の刃 エッセーノベル
20・『ハウルの動く城 動かないお祖父ちゃんの腕』
お祖父ちゃんが不調なので、今回もわたしが書きます。
大したことは無いと思うんですけど、背中や肩が痛くてかなわないみたいです。
パソコンのキーボードに向かって、打った文章の確認にのために首を上げただけで肩から首にかけて電気が走るんだそうです。
「ちょっと筋違えただけやから(#^-^#)」と言い訳していますが、どうなることやら。
実は、お祖父ちゃん、先月エアガンを買ったんです。
訳は、こうです。
最近、糖尿病の数値が思わしくないので、糖類をひかえているお祖父ちゃんです。
お祖父ちゃんは、文章を書く時には、なにかしら口に入れる習慣があります。
タバコもお酒もやらないお祖父ちゃんは、もっぱらお菓子を食べています。
お煎餅とかポテチとか柿の種とか、歯ごたえがあるものが好きで、ケーキやチョコレートとかはやりません。
「いや、下戸の作家はお菓子食べてるやつが多いんだ」
「ほんとう?」
と聞くと、浅田次郎さんとか、正岡子規とかを例に挙げました。
お酒が飲めない正岡子規は、妹やお母さんに頼んで、町内のお菓子屋さんに通ったもんだと言います。
浅田次郎さんも、お酒がダメな作家さんで、アイデアや文章に詰まると、すぐお菓子に手が出てしまって困るとエッセーに書いているのを見せてくれるお祖父ちゃんです。
お祖父ちゃんも心がけていて、お菓子は生協に頼んだ子供のおやつ用の小さなパックに限っていたんですが、それでもお医者さんに叱られるので、エアガンに替えました。
お菓子の代わりがエアガン?
ちょっと不思議ですよね。エアガンを食べているわけではありません。
実は、こうなんです。
お菓子を食べる代わりにエアガンを空撃ちしているんです。
弾が飛び出すとエアガンでも怖いのですが、空撃ちだと……やっぱりやかましいですね(^_^;)。
バシ! バシ! バシ!
三回ぐらいで収まる時もあれば、百回撃ってもダメな時もあります。
でも、スナック菓子を一袋(300キロカロリー~500キロカロリー)食べてしまうよりはいいんです。
エアガンには糖質もカロリーもありませんからね(^_^;)。
お祖父ちゃんは、コルトガバメントとS&Wのリボルバーを使っていました。
二丁ともエアコッキングと言う奴で、撃鉄や遊底をガシャンと引いて撃つんです。
それが、滅法硬いです(^_^;)。
ちょうど、この『滅鬼の刃』を書いている時に、背中と首筋にギクっときたそうです。
意地っ張りなお祖父ちゃんは、よっぽどなければ「痛い!」とは言いません。
特に、孫のわたしの前では、言いません。
すぐに湿布をするとか手当をすればいいんですけど、それも、わたしが心配すると言って、わたしがお風呂に入っているうちに、コッソリやっています。
湿布って臭いますから、内緒にしても無駄なんですけどね。
それで、様子を見ていたんですけど。
ある程度マシになっても、どうも、パソコンの前に座って文章を書くのは億劫なようです。
一昨日のテレビで『ハウルの動く城』をやっていました。
ネットサーフィンの真っ最中のお祖父ちゃんを視野の片隅に入れて、夕食の片づけやったり洗濯物を畳んだり、雑誌をパラパラめくりながら、ボンヤリ見ていました。
ハウルの部屋が出てきて、思わず笑ってしまいました。
散らかりようがお祖父ちゃんの部屋にソックリだからです。
荒れ地の魔女の呪いで百歳のオバサンになったソフィーが、きれいに掃除して、全部片づけてしまいます。
「ソフィー! 僕の部屋片づけただろ!」
下のダイニングキッチンを片付けているソフィーに目を剥いて怒るハウル。
部屋を片付けられてしまうと、ハウルは魔力を失います。なんか、水っぽくなって溶けていっちゃうんですよね。笑ってしまいます、あのグダグダグニャグニャのハウルはお祖父ちゃんそのものです。
ただ、ハウルと違って、なんの魔力もありませんが(^_^;)。
わたしが、お祖父ちゃんと二人暮らししているのは、お祖父ちゃんのハウル的な性格と言うか性癖が原因の半分なんですが、それは、またいずれ。
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Sのドクロブログ☠!
クソジジイが七十になって、やっと二十歳になるあたしってどーよ!?
今さら、身の不運を呪ったりしないけど、ほんと、心配なんですけど!
大学にはいきたいし、就職しても、トーブンは独身のまんまで遊んでいたいって、女子高生としては普通の願望だと思うんですけど!
そのためにはさ、健康でいてくれなくちゃ困るわけですよ!
お菓子食べながらキーボード叩くのは自由だけどもさ、体は壊さないでよね!
お菓子を控えてエアガンもけっこうなんだろーけどさ。
肩と背中が痛くなったのは、エアガンの撃ちすぎじゃないと思うよ。
クソジジイ、高血圧で肝臓悪くって、去年の秋からは糖尿だよ。
コロナが第四波になろうかって今日この頃、クソジジイはコロナに感染したら一発だからね。
志村けんとか相撲取りがコロナで死んじゃったてニュース聞くたびにハラハラしてんだよ。
クソジジイ自身気にしてるのは、この一年電車に載ったり人に会ってないことでも分かるよ、分かってるよ。
でも、口にしたら言霊ってあるじゃん。
本当になってしまうんじゃないかって……だから「筋違えたあ……」って言っても否定しないんだよ。
たぶん、自分でもヤバいと思ってるんだよな。
ネットで検索したら、糖尿病の症状に、手足の先の痺れとか背中が痛くなるとかあった。
あたし、まだ十七歳だからね。
老人介護で、あたしの人生メチャクチャとか、まじ勘弁して!
ハウルに掛けたクソジジイの事、あれこれ書きたかったけど、また今度。
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