第33話 ~引き寄っちゃう法則~

私は同じ商品を再び購入してしまうことがある。


一時期、過ちと捉えていたが、いつしか相性がいいものを引き寄せてしまうことは、素晴らしい現象だと考えるようになった。


新書は、まぁまぁ売れた本をカバーの様相を変えて売っているせいか、引き寄っちゃう確率がグッと上がる。


本棚にはカバーの違う、同じ本が並ぶ。


それは、みなさんもご経験があるだろうか。


CDを購入し、自宅のCD棚に入れようとすると、同じものが何枚かある。


曲は覚えているが、曲名やアルバム名を覚えていないことによる引き寄せである。


自転車の空気入れは、倉庫に5,6台ある。


たまにしか使わないことによる、引き寄せである。


スーパーで玉ねぎを買うと、ご近所の農家さんから大量の玉ねぎをいただく。


引き寄っちゃう法則は、ありがたい限りである。


世間の人々を見渡すと、私と同じような引き寄せ力をおもちの方々がいることを知る。


会社で同じミスを繰り返すあまり、社内で有名になる社員さん。


人は変わっても内容が似た男に騙され続け、味の出る元アイドル。


解散を繰り返しながらも同じタイプの相方と再結成してしまい、知名度が低いが日々充実してそうなお笑い芸人。


古巣のクラブチームに戻ってみたが、結果が出ずに即引退し、地元の居酒屋で住民に愛され続けながらバイトする元サッカー選手。


メンバーと内容は大して変わらないのに党名を変え続ける、腹は黒いが顔面蒼白な政治家。


そして、五輪を再び呼んでしまった、東京。


私は子供時代、近所の床屋でスポーツ刈りを頼むが、決まって五厘に刈られた。


次も五厘にさせられると分かっていながらも、引き寄せられるように行ってしまった。


床屋の店主は、「スポーツと聞くと五厘」しか想像できないと言っていた。


親近感がわく。この引き寄っちゃう法則を、いつか皆と共有したい。


これはもう変えることができない、愛くるしい法則である。


この文章を最後まで読んでしまった奇遇なそこのあなた!


引き寄っちゃうんだから仕方がないですよね。














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