あの輝きをもう一度(短篇集参)

@uwm54213

第1話

古平(こだいら)修一は、かって高校

球児として全国に名を馳せていた。

しかし今では……。


「おい、早くしろよ」

真牡蠣尚人(まがきなおと)は金庫破り。

試用期間として古平を十日間、自分の

仕事に付き合わせていた。

「はい。もう少し待ってください」

古平は焦りながら、何とか目の前にある

金庫を開けようとした。

「もういい」

真牡蠣が匙を投げたように古平に告げた。

「おまえは雇えない。他をあたってくれ」

真牡蠣が冷たく言い放った。

「待ってください」

古平が食いつく。

「俺には嫁と三人の子供がいるんです」

古平は必死だった。



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