貴族な猫とぼっちな人間

冬月鐵男

一、病室そして女

 規則正しくなる心拍を示す電子音。その音だけで病室で分かる。

 そこには一人の病人の男と、二人の女がいた。

 酷くやせ細ってしまった男の姿と数々のケーブルや機器がつながっている事から、今この男の生命の火が消えようとしている事が分かる。

 女は男の頭を撫でながら優しく言う。

「もうよい、お主は良く頑張った。たんと眠れ」

 もう一人の女は男の手を握りなら優しく言う。

「もう良いです、旦那様は良く頑張りました。もう眠って良いですよ」

 男は満ち足りた笑顔をめいいっぱい開き……。

「     」

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